2025-12-12 コメント投稿する ▼
衆院議員定数削減法案は廃案を 山添拓政策委員長が会期延長を批判
日本共産党の政策委員長、山添拓氏は2025年12月12日、国会内で記者会見を開き、自民党と日本維新の会(以下、維新)が衆議院に提出した衆院議員定数削減法案について、「継続審議ではなく、廃案にすべきだ」と強く主張しました。 これに対し山添氏は、法案を通すためだけの会期延長は許されないと述べ、国会運営のあり方そのものが問われていると指摘しました。
定数削減法案を巡る与野党の対立
日本共産党の政策委員長、山添拓氏は2025年12月12日、国会内で記者会見を開き、自民党と日本維新の会(以下、維新)が衆議院に提出した衆院議員定数削減法案について、「継続審議ではなく、廃案にすべきだ」と強く主張しました。山添氏は、法案の内容そのものだけでなく、提出の時期や審議の進め方が議会制民主主義の原則を踏みにじるものだと批判しました。
自民党と維新は同日、国会対策委員長会談を行い、この法案を成立させるため、2025年12月17日までの今国会の会期を延長する可能性を排除しない方針を確認しています。これに対し山添氏は、法案を通すためだけの会期延長は許されないと述べ、国会運営のあり方そのものが問われていると指摘しました。
会期末提出と審議手法への批判
今回の定数削減法案は、会期末が迫る中で提出されましたが、衆院政治改革特別委員会では、すでに企業・団体献金を巡る法案が先に審議入りしています。山添氏は、これを追い越す形で定数削減法案の審議と採決を求める与党側の姿勢について、「順序を無視したやり方だ」と厳しく批判しました。
選挙制度と議員定数は切り離せない問題であり、これまでは衆院選挙制度協議会で一体的に議論されてきた経過があります。山添氏は、今回の法案がそうした積み重ねを無視している点を問題視し、「筋の通らない法案を今国会で成立させようとするのは言語道断だ」と述べました。
「数だけ減らせば改革という考えが透けて見える」
「定数削減で政治が良くなるとは思えない」
「会期延長までして通す話なのか疑問だ」
「本当に議論すべきは政治とカネの問題では」
「国会を軽く扱っているように感じる」
吉村代表の発言と民主主義の論点
維新の代表である吉村洋文氏は、同日の会見で定数削減法案について「結論を出さずに終わる政治はまっぴらごめんだ」と発言しました。これに対し山添氏は、そもそも議員定数を1割削減する根拠や、1年で結論を出す合理的な理由が示されていないと反論しています。
山添氏は、野党側が審議入りを受け入れていないのは、内容が不十分であるだけでなく、議会の合意形成を軽視しているからだと説明しました。その上で、拙速な結論を迫る姿勢こそが、議会制民主主義を壊しかねないと警鐘を鳴らしました。議論を尽くすこと自体が民主主義の核心であり、それを否定するような進め方は許されないとの立場を明確にしています。
求められる本質的な政治改革
山添氏は、定数削減法案は廃案とし、衆院選挙制度協議会で腰を据えた議論を行うべきだと主張しています。単なる人数削減ではなく、選挙制度のあり方や民意の反映の仕方を含めた抜本的な改革こそが必要だという考えです。
国民の間には、政治とカネの問題や企業・団体献金への不信感が根強くあります。そうした中で定数削減を前面に出すことが、論点のすり替えではないかとの疑念も出ています。山添氏の発言は、議会の役割と民主主義の手続きを守る立場から、改めて政治改革の方向性を問い直すものとなっています。