2025-12-08 コメント投稿する ▼
東京23区の高額火葬料金に政府が自治体指導を許可、山添拓議員の質問主意書に答弁
高市内閣は2025年11月21日、日本共産党の山添拓参院議員の質問主意書に対し、東京23区内での高額な火葬料金について、自治体が指導や条例を通じて規制を行うことが可能であるとの答弁書を決定しました。 具体的には、地方自治体が事業者に対して料金設定の根拠を説明させたり、料金が明らかに高額である場合には指導を行ったりすることが、法令に反することなく行えることが確認されました。
東京23区内の高額火葬料金、自治体指導が可能との政府答弁
高市内閣は2025年11月21日、日本共産党の山添拓参院議員の質問主意書に対し、東京23区内での高額な火葬料金について、自治体が指導や条例を通じて規制を行うことが可能であるとの答弁書を決定しました。この答弁は、火葬料金の高騰に対する関心が高まる中で、地方自治体が適切に対応するための指針となるものです。
山添議員の指摘と問題提起
山添議員は、政府が火葬場の経営主体を原則として「市町村等」と定めているにもかかわらず、東京23区内では墓地埋葬法が制定される以前から営業を続けている民営の火葬事業者が多く存在している点を指摘しました。特に、火葬場9カ所のうち7カ所が民営で、さらにそのうち6カ所が同一法人によって経営されていることが問題視されています。
これにより、料金の値上げが繰り返されており、同じ都内の多摩地域と比較してもその料金は著しく高額であるとしています。山添氏は、このような状況について政府の見解を求め、火葬料金が市民生活に与える影響の大きさを訴えました。
政府の答弁と自治体の対応
政府の答弁書では、火葬場の経営が利益追求の手段とならないよう、利用者が犠牲になることがあってはならないとの認識が示されました。具体的には、地方自治体が事業者に対して料金設定の根拠を説明させたり、料金が明らかに高額である場合には指導を行ったりすることが、法令に反することなく行えることが確認されました。また、条例を通じた料金規制も憲法に反しないとの立場が示されています。
さらに、厚生労働省は10月31日付の通達で、各自治体に対し「火葬場の経営・管理に必要な費用に比べて明らかに高く、事実上利用者が利用できないような法外な料金設定となっていないか」を確認事項として挙げ、料金の指導が可能であることを示しました。
「受益者負担」の問題と社会的利益
山添氏は、東京都が「受益者負担」を理由に都立火葬場の料金を繰り返し値上げしていることについても問題視し、火葬は「社会的公共的な利益のために必要」として、その受益者が誰であるべきかを問いかけました。しかし、政府の答弁書はこの点については直接的な回答を避け、「火葬は公衆衛生や公共の福祉の観点から支障なく行われる必要がある」との認識を示しました。社会的な利益としての火葬の位置づけについては、明確な意見を表明しませんでした。
今後の対応と市民への影響
今回の答弁書は、東京23区内の高額な火葬料金に対する地方自治体の対応の可能性を示すものであり、今後、各自治体がどのようにこの問題に取り組んでいくかが注目されます。特に、市民生活に密接に関わる火葬料金について、自治体が積極的に指導を行い、必要に応じて料金規制を実施することで、市民の負担を軽減するための施策が期待されています。