外環道事業費2兆7625億円に、当初の2倍超で陥没事故対策費は未計上

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外環道事業費2兆7625億円に、当初の2倍超で陥没事故対策費は未計上

地表に影響は出ないとされていた大深度地下工事での施工ミスが明らかになったことで、大深度法そのものの信頼性が揺らぐ事態となりました。 しかし調布市の陥没事故により、地下40メートル以深の大深度地下でも地表に影響が出ることが明らかになりました。

東京外かく環状道路の事業費が当初計画の2倍を超える2兆7625億円に膨らむことが明らかになりました。2025年10月15日、日本共産党の山添拓、吉良よし子両参院議員と原田あきら都議が国土交通省の担当者を追及し、事業の中止を求めました。

事業費が当初の2倍超に膨張


国土交通省関東地方整備局の事業評価監視委員会が10月9日に行った東京外環道の事業再評価で、同省などは事業費が前回2020年の再評価時から約4050億円増え、2兆7625億円となると提示しました。事業化当初の2007年時点では1兆2820億円と見込まれていたため、事業費は2倍以上に膨れ上がったことになります。

外環道は関越道から東名高速道間の約16キロを結ぶ区間で、住宅密集地を通るため地下40メートルより深い大深度地下を活用する計画です。首都圏3環状道路の一つとして期待されていますが、2020年10月に東京都調布市で発生した陥没事故以降、工事は難航しています。

「事業費が2倍超とか、もう完全に破綻してるでしょ」
「調布の陥没事故の補償も入ってないって、どこまで膨らむんだ」
「税金の無駄遣い。中止すべきだ」
「供用開始の見込みもないのに続ける意味あるの」
「これ以上の増額は許されない」


陥没事故の対策費は未計上


山添、吉良両議員らは国交省の担当者に対し、今回の事業費に2020年10月の調布市での陥没事故の対策費や、主要な事業地である青梅街道インターチェンジで見込まれる工法変更による増額分などが計上されていないことを指摘しました。事業費はさらに膨れ上がる可能性が高いと批判しました。

調布市の陥没事故は、外環道の地下トンネル建設工事中に発生しました。東日本高速道路は2021年2月、特殊な地盤下で掘削機に支障が生じ、土砂を取り込みすぎる施工ミスが原因だったと発表しました。地表に影響は出ないとされていた大深度地下工事での施工ミスが明らかになったことで、大深度法そのものの信頼性が揺らぐ事態となりました。

東日本高速道路は約1000軒を対象に個別補償を検討していると説明し、トンネルルート上の約360メートルについて2年かけて補修工事を行うとしていました。しかし、これらの補修費用や住民への補償費用が、今回提示された事業費には含まれていないのです。

国交省側は「地盤補修などの負担は高速道路会社と受注企業体で協議しており、決まっていない」と弁明しましたが、山添議員らは「事故対応のコストも示さず、供用開始の見込みもない事業は中止すべきだ」と求めました。

費用便益分析の信頼性に疑問


国交省は事業再評価で、費用便益分析の結果を示しました。前回2020年の再評価時には1.01だった費用便益比が、今回は1.2になったとしています。この数値が1を上回れば事業の経済的合理性があるとされますが、共産党議員らはこの数値の信頼性に強い疑問を呈しました。

山添、吉良両議員らは費用便益分析について、以下の問題点を指摘しました。陥没事故の対策費や工法変更による事業費を加味すれば費用が増大すること、「2031年度供用開始」との設定が非現実的であること、「便益」が生ずる道路範囲の設定が過大であること、そして陥没事故の被害住民の健康や生活への影響などマイナスの便益を考慮していないことです。

両議員は「国民に虚構の数字を伝えるものだ」と厳しく批判しました。事業費が当初の2倍を超え、さらに増大する可能性が高いにもかかわらず、供用開始の見込みも立たない状況で事業を継続することの是非が問われています。

大深度法の問題点が浮き彫りに


2001年に施行された大深度地下の公共的使用に関する特別措置法、いわゆる大深度法は「地表への影響がない」ことを前提として、土地の権利者や居住者の承諾を取ることなく、補償もせずに大深度地下に使用権を設定できるとされていました。

しかし調布市の陥没事故により、地下40メートル以深の大深度地下でも地表に影響が出ることが明らかになりました。外環道トンネル沿線住民は2017年12月、国と東京都を相手取り、国土交通大臣が行った大深度地下使用認可と、東京都知事が認めた都市計画事業承認・認可の取り消しを求める訴訟を起こしています。

住民側の代理人を務める弁護士は「大深度法は損失が発生した場合の補償を想定していない。影響があると認めたら、地権者に対して補償をしなくてよい、承諾を取らなくてよいとはならない。大深度法そのものが憲法29条の財産権を侵害する可能性がある」と主張しています。

2022年2月には東京地裁が、陥没事故現場から約30メートルの地点に住む住民1人について、外環道工事の一部差し止めを命じる決定を出しました。「有効な対策が採られないまま同じ工法で工事が再開されれば陥没が生じる恐れがある」との判断でした。

リニア中央新幹線への影響も


外環道の陥没事故は、同じく大深度地下工事を予定しているリニア中央新幹線にも影響を与えています。地表に影響は出ないとされていた地下40メートルより深い大深度地下工事の施工ミスが明らかになったことで、リニア中央新幹線など他の同種工事でも再発防止策などが必要になる可能性が指摘されています。

外環道の陥没事故から3年以上が経過した2023年10月には、掘削済み区間の地上付近を通る野川サイクリング道路に計6つの穴が見つかり、東日本高速道路が道路を管理する狛江市に無断で修復していたことが明らかになりました。地元住民からは「また隠蔽か」との批判の声が上がっています。

トンネル工事の振動による健康被害の報告もあり、住民の不安は解消されていません。事業評価監視委員会の審議は次回に持ち越されましたが、事業費の膨張と供用開始の見込みが立たない現状で、外環道事業の継続そのものが問われています。

共産党議員らは「事故対応のコストも示さず、供用開始の見込みもない事業は中止すべきだ」と改めて主張しており、今後の審議の行方が注目されます。

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2025-10-18 11:40:36(S.ジジェク)

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