2025-10-08 コメント投稿する ▼
国民民主党、「特別自治市」創設法案を提出へ 大阪都構想への対案を提示
国民民主党は8日、党の地方制度調査会(会長・足立康史衆議院議員)を開き、地方自治制度の抜本改革を目指す「特別自治市制度」の創設に向けた地方自治法改正案を、月内に召集予定の臨時国会へ提出する方針を確認した。 足立氏はこう述べ、維新の「大阪都構想」に対抗する形で、国民民主党としての地方制度改革案を打ち出す姿勢を鮮明にした。
国民民主党、「特別自治市」創設法案を提出へ 大阪都構想への対案を明確化
国民民主党は8日、党の地方制度調査会(会長・足立康史衆議院議員)を開き、地方自治制度の抜本改革を目指す「特別自治市制度」の創設に向けた地方自治法改正案を、月内に召集予定の臨時国会へ提出する方針を確認した。
統治機構改革は維新の独壇場のようになっていたが、われわれは全国政党として責任を果たしたい。
特別自治市は、道府県から権限と財源を全面的に移譲する制度とします。
大阪都構想の対案として、より現実的かつ全国的なモデルを示す。
地域が自立し、中央集権を改める方向で議論を進めたい。
地方分権を理念で終わらせず、制度として具現化することが重要です。
足立氏はこう述べ、維新の「大阪都構想」に対抗する形で、国民民主党としての地方制度改革案を打ち出す姿勢を鮮明にした。
「特別自治市」構想とは 道府県権限を市に一元化
国民民主党が準備を進める「特別自治市」構想は、道府県と政令指定都市の二重行政を解消するため、道府県から特定の市に権限と財源を全面移譲する制度である。これにより、都市単位での行政判断を可能にし、機動的な都市経営を目指す。
制度が実現すれば、教育・福祉・都市計画などの行政権限を市が一元的に担うことになり、府県を介さず直接国と連携できる。足立氏は「中央集権から地域主権への大きな転換になる」と述べ、国の地方制度全体を見直す契機にしたい考えを示した。
この構想は、かつて民主党政権時代にも議論された「大都市制度」の発展形とされており、政令指定都市を中心に導入可能とする方向で検討が進んでいる。
大阪都構想への対抗軸 維新の「副首都構想」に一線
今回の法案提出は、日本維新の会が掲げる「大阪都構想」への対案という明確な政治的意図を持つ。維新は現在、「副首都構想」を前提に自民党への接近を強めており、再び大阪中心の統治機構改革を進める構えを見せている。
足立氏は元維新議員として、かつて同構想の議論に関わった経緯を持つ。今回、自身が国民民主党の立場で法案をまとめることで、維新とは異なる地方分権の形を提示する狙いがある。
党関係者は「維新の大阪モデルは一地域限定の制度設計だが、国民民主党の特別自治市は全国どこでも導入可能な制度を目指している」と説明している。
地方分権の再設計へ 全国的議論の呼び水に
国民民主党は、今回の法案を単なる対案ではなく、地方分権改革の再設計に向けた出発点と位置づけている。人口減少や財政難が進む中、地方自治体の自立と責任を強化するため、「地方主権型の統治モデル」を提案する構想だ。
地方制度調査会では、特別自治市制度の対象範囲や導入基準の明確化、既存自治体との財源調整のあり方など、具体的な制度設計について今後も議論を継続することを確認した。
足立氏は会合後、「維新の都構想は大阪限定の改革だが、我々は全国を視野に入れた制度を提案する。地方の自立を制度として確立したい」と語った。
党内では、将来的に「特別自治市」を中核とした地方行政制度の全国展開を視野に、他の野党や地方自治体との連携も模索する方針が示された。
臨時国会の焦点に 維新との地方制度論争が再燃か
臨時国会では、統治機構改革をめぐり国民民主党と維新の会による政策論争が再燃する可能性がある。両党とも「地方分権の推進」を掲げながらも、制度の枠組みや地方と中央の関係についての立場は大きく異なる。
維新側は「大阪をモデルにした都市制度改革」を重視する一方、国民民主党は「全国共通で機能する自治モデル」を重視。どちらの案が現実的かをめぐって、地方制度の議論が国会の焦点になる見通しだ。
国民民主党は、地方制度の議論を通じて「中央依存からの脱却」と「地域の自主性強化」を訴える構えを見せており、足立氏は「地方から日本を立て直すための制度改革だ」と強調している。