2025-07-11 コメント投稿する ▼
岩屋外相、北朝鮮の非核化と拉致解決に国際連携を訴え
ARF閣僚会合で岩屋外相が北朝鮮問題に言及
マレーシアのクアラルンプールで開催されたASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合において、日本の岩屋毅外務大臣が北朝鮮の核・ミサイル開発に対する深刻な懸念を表明し、「完全な非核化に向けて、国際社会と緊密に連携していく」と強調した。
会合にはASEAN10カ国に加え、日本、アメリカ、中国、ロシア、さらにはイギリスなどの招待国も含めた各国外相が出席。グローバルな安全保障問題を共有する場として、今回の議論は国際的な注目を集めた。
岩屋外相は冒頭、「国際情勢は一層不安定さを増しており、ARFが掲げる信頼醸成・予防外交の役割は、今こそ重要性を増している」と述べ、各国の連携による平和の維持を訴えた。
「北朝鮮問題、やっとちゃんと主張してくれた」
「ARFで日本が前面に出るのは意義あると思う」
「外交の場で拉致問題に言及したのは評価」
「ミサイル実験を繰り返す北朝鮮に、もっと圧力を」
「日本が主体的に動かないと誰も助けてくれない」
北朝鮮の核・サイバー活動・ロシアとの軍事協力に懸念
岩屋外相は演説の中で、北朝鮮が進める核・弾道ミサイル開発について「国際社会全体に対する脅威」として位置付け、「明確かつ一致した対応が求められている」と強調した。
加えて、暗号資産を標的としたサイバー攻撃や違法な外貨獲得手段への懸念を示し、「こうした活動は国連安保理決議にも明確に違反している」と指摘。さらに、北朝鮮とロシアの軍事協力が進展している現状にも警鐘を鳴らし、「国際秩序に対する挑戦だ」と語った。
こうした強硬な姿勢の背景には、今年に入り北朝鮮が新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)とされる兵器の発射を繰り返していることや、国際的な制裁にもかかわらず暗号資産の不正取得が横行している現状がある。
拉致問題解決への国際支援も要請
また岩屋外相は、北朝鮮による日本人拉致問題についても言及し、「国際社会の理解と協力が必要だ」と述べ、被害者の即時帰国を実現するために各国の支援を求めた。
拉致問題は日本国内で根強い関心がある一方、国際外交の場では話題に上がる機会が限られており、今回の発言は異例とも言える。岩屋氏は「日本だけの問題ではなく、基本的人権の侵害であり国際社会全体の課題だ」と訴えた。
これに対し、参加国の中には「拉致被害者の帰国は早期に解決すべき重要な課題」との立場を示す発言も複数あったとされる。
「ARFで拉致問題を取り上げたのは大きい」
「日本人として、しっかり主張してくれたのはうれしい」
「もっと他国にプレッシャーかけてもらいたい」
「この問題こそ、日本外交の本気度が問われている」
「国際社会が無関心なら、解決は遠のく」
国際秩序の維持に向けた協調の重要性
岩屋外相は全体として、欧州・中東・インド太平洋といった各地域の安全保障は「相互に密接に関係している」とした上で、単独主義ではなく「共通のルールと協調による平和維持」が不可欠であると訴えた。
特に、ロシアによるウクライナ侵略や中東での不安定化を背景に、国際秩序への挑戦が各地で進んでいる中、日本はASEAN諸国や西側諸国と連携し、自由で開かれた国際社会の維持を目指す立場を明確にした。
今回のARFでは、形式的な対話だけでなく、北朝鮮や中国の軍事的圧力、サイバー空間の脅威といった現実的な課題についても、一定の問題意識を共有できた点で意義があったと言える。
とはいえ、外交は言葉だけでは動かない。北朝鮮の非核化と拉致問題解決を現実のものとするには、今後さらに各国への粘り強い働きかけと、国連や多国間枠組みでの実効的な行動が必要だ。