2025-07-09 コメント投稿する ▼
岩屋外相「不法滞在国に懸念表明」と発言も…トルコ・中国・ベトナム会談に言及なしの疑問
岩屋外相「懸念を伝達」と明言も、トルコ・中国・ベトナム外相会談で具体的な言及なし
岩屋毅外務大臣は7月8日の会見で、不法滞在や犯罪件数が多い外国人について「出入国前の査証審査の厳格化に加え、相手国政府にも外相会談の場を活用して懸念を表明し、対策の実施を要請してきている」と明言した。しかし、実際に直近で実施されたトルコ、中国、ベトナム各国との外相会談では、そうした具体的な言及は行われていない可能性があることが明らかになった。
この発言と現実との間のズレが、SNSなどで批判を呼び起こしている。
「不法滞在・犯罪に懸念を表明」とするも、会談記録には痕跡なし
外務省の公式発表によれば、以下の会談が最近実施されている。
* 日・トルコ外相会談(2月21日):クルド人の不法滞在や強制送還問題が国内で社会的関心を集めていた時期にもかかわらず、会談内容にその言及は見られなかった。
* 日・中国外相会談(3月22日):不法滞在者や犯罪検挙件数が増加している中国籍外国人について、懸念表明や対策要請の記述はなかった。
* 日・ベトナム外相電話会談(10月22日):技能実習生制度を通じて多数のベトナム人が来日している背景の中、増加する不法滞在や犯罪についての議論は確認されていない。
一方で岩屋氏は会見にて、「石破総理の指示の下で、秩序ある共生社会を実現するため、外務省も積極的に役割を果たす」と述べており、方針と実務の整合性に疑問が残る形だ。
「口では“要請した”って言ってるけど、会談の議事録には一言もなし」
「クルド人送還が問題化してるのに、トルコ相手に言及しなかったってどういうこと?」
「ベトナム人の失踪、窃盗事件多発してるのに対応なし?」
「中国の不法滞在に触れずして何が“懸念表明”だよ」
「国民向けには強く言ってるアピール、外交では沈黙。二枚舌では?」
“秩序ある共生”を掲げながら、対外発信は後手?
岩屋氏は会見で、自民党の「外国人との秩序ある共生社会実現に関する特命委員会」の提言を踏まえて省内で取り組みを強化していると述べた。だが、現実には、実際の会談の中で外国人による犯罪増加や不法滞在の懸念を明言した証拠は、政府発表には見当たらない。
これは、外交的な配慮による“触れなさ”なのか、それとも単なる説明不足なのか。いずれにせよ、国内向けの強硬姿勢と国際会談での“事なかれ対応”との乖離が、結果として国民の不信を招いている。
懸念の「表明」と「記録」は別物 国民の安心はどこにあるのか
「外相会談の場で懸念を伝えた」との発言が事実であるなら、少なくともその要点が会談記録に記載されていて然るべきだ。外交における記録は国民への説明責任を果たす上でも不可欠な要素である。
ましてや、国民の安心・安全を守るという目的で政策が進められているのであれば、相手国に対する要請内容、具体的な成果、継続協議の有無などを、一定の透明性をもって明らかにすることが重要だ。
「共生」の理想と現場の現実にギャップ
日本国内では、外国人とのトラブルや地域住民との摩擦が実際に起きている。とくにトルコ系クルド人、技能実習生の失踪問題、中国人不法滞在などが社会問題化している今、政府の「共生」方針には現場とのズレがあると指摘されている。
「共生」は相互の信頼とルールの遵守の上に成り立つものであり、治安や不法行為を無視した寛容では、かえって国民の不安と分断を生む。今後は、実態に即した対外発信と、確実な記録・説明が求められている。