2025-07-07 コメント投稿する ▼
日本、原油市場安定に期待を託す 岩屋外相がGCCと連携強化へ
GCCとの連携強化へ 岩屋外相が原油市場の安定に言及
日本のエネルギー安全保障にとって重要な外交が動き出した。7日、岩屋毅外相が外務省で、湾岸協力会議(GCC)のジャーシム・ブダイウィ事務局長と会談。中東情勢が緊迫するなか、日本にとって欠かせない石油輸入元であるGCC諸国との結びつきを改めて強調した。
「GCC各国はエネルギー安全保障の上で極めて重要なパートナーだ」。岩屋外相はこう語り、原油価格の安定に向けて、GCC諸国が主導的な役割を果たすことへの期待を示した。ウクライナ戦争やイスラエル・イラン情勢といった地政学リスクの高まりが原油市場を揺さぶる中、日本はGCCとの関係強化で安定の軸を築こうとしている。
「原油高騰で家計も企業も苦しい。外交で何とかしてくれ」
「GCCとの連携は大歓迎。中東頼みなのは変わらないからね」
「日本にできるのは“お願い外交”だけなのか?」
「外務省、たまには仕事してるなと思った」
「イランとイスラエルの停戦に日本がどう関わるのか注目」
イラン・イスラエル間の対話再開へ外交努力
今回の会談では、エネルギー分野にとどまらず、中東地域の平和と安定への取り組みにも言及された。特に注目されたのは、イランとイスラエルの停戦合意と対話再開への支援表明だ。
岩屋外相は、「日本としても外交的努力を惜しまない」と語り、GCCを含む中東諸国との連携を深めることで、地政学的リスクを緩和し、エネルギー市場の混乱回避を図る姿勢を明確にした。
この発言は、日本がエネルギーを通じて中東の安定に貢献しようとする姿勢の表れだが、その影響力には限界もある。日本が仲介役としてどれだけ機能できるのか、実効性が問われる局面にある。
EPA交渉の加速で経済関係も深化
会談では、経済分野でも動きが見られた。GCCとの経済連携協定(EPA)の交渉について、両者は「早期妥結を目指して協力する」との方針で一致。中東との安定的なエネルギー供給体制を超えて、経済面での結びつきを強化する方向性が明確になった。
ブダイウィ事務局長は、日GCC外相会合を9月1日にクウェートで開催したい意向を示し、岩屋氏を招待。外務省によれば、実現すれば2023年以来2度目となり、岩屋氏の出席については今後調整が進められる。
GCCとのEPAは、自由貿易の枠組みを通じて相互依存を強める狙いがある。中東の資源と、日本の技術・インフラ支援を組み合わせた協力関係が深まれば、両者にとっての経済的な相乗効果も期待できる。
エネルギー安保を巡る日本の“地政学的ジレンマ”
日本はエネルギーの約9割を中東に依存しており、特にGCC諸国は日本の原油輸入の中心を占める。だからこそ、今回のような外交的な接近は不可欠だが、一方で、それは日本の“脆さ”の裏返しでもある。
ロシアや中国の台頭、アメリカのエネルギー自立と中東離れが進む中、日本だけが旧来の構造に依存し続けるリスクが際立ってきている。中東の安定と日本の経済は表裏一体。だが、その安定を他国の決定に委ねる構図がいつまでも持続可能なのかは疑問だ。
今後、日本が中東との関係を「依存」から「戦略的連携」へと昇華できるか。今回の岩屋外相の動きは、その第一歩にすぎない。