2025-05-07 コメント投稿する ▼
岩屋外相、印パ衝突に懸念 インド・パキスタン両国に自制と対話を強く求める
印パ衝突に懸念 岩屋外相、両国の自制と対話による安定化を要求 印外相と電話会談
インドとパキスタンの間で緊張が高まる中、日本の岩屋毅外相は7日、インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相と電話で会談し、両国に自制を促し、対話を通じた事態の安定化を強く求めた。岩屋外相は「南アジアの平和と安定は国際社会全体の利益に関わる」と強調し、エスカレートする武力衝突を回避するよう求めた。
この電話会談は、インド北部ジャンム・カシミール準州で4月22日に発生した観光客らを狙ったテロ事件を受けたもの。事件では外国人観光客を含む26人が犠牲となり、インド政府はテロの背後にパキスタンの支援があると非難。5月7日未明、インドはパキスタン領内およびパキスタン支配地域内にあるテロリストの拠点9か所に対する空爆を実施した。
岩屋外相、テロを断固非難
岩屋外相は会談の中で「テロ行為は断固として非難する」と述べ、公正な調査と犯罪者の処罰が必要だとの立場を明確に示した。日本は南アジア地域の安定を重視しており、事態が本格的な軍事紛争に発展しないよう引き続き関心を寄せている。
「報復の連鎖は誰の利益にもならない。対話を通じた冷静な対応を期待している」と岩屋外相は強調し、双方に自制を求めた。
インド・パキスタンの主張
インド側は、今回の空爆がテロリスト関連施設に限定され、パキスタン軍の施設は標的にしていないと説明し、民間人の被害は確認されていないとしている。これに対し、パキスタン政府はインドの主張を強く否定し、中立的な調査を求めている。
パキスタン外務省は「我々は平和を望んでおり、不必要な武力行使は避けるべきだ」とコメント。両国の関係は長年にわたり緊張状態が続いており、今回の衝突はその一端に過ぎない。
日本、南アジアの平和維持に注力
岩屋外相は、日本が引き続きインド・パキスタン間の安定化に向けた努力を支持し、国際社会と連携して対応を検討していく考えを示した。また、在ムンバイ日本国総領事館も、現地邦人に最新情報を確認し、安全確保に努めるよう呼びかけている。
「地域の平和と安定は、どの国にとっても重要な課題だ。対話こそが唯一の解決策である」と岩屋外相は締めくくった。