2025-04-29 コメント投稿する ▼
日本がセネガルの米自給を支援 岩屋外相が現地で語った農業協力の全貌とは
日本が支援する「セネガル米作り」 岩屋外相が現地で明言
日本政府は、アフリカ・セネガルにおける米の自給達成に向けた支援を本格化させている。4月末に同国を訪問した岩屋毅外務大臣は、現地メディアのインタビューで「日本はセネガルの稲作に対し包括的な支援をしている」と強調し、日本の協力姿勢を強く打ち出した。
セネガル訪問で外相が直接メッセージ
岩屋外相は4月29日、セネガルを公式訪問し、ファイ大統領やソンコ首相との面会を行ったほか、日本企業の関係者や在留邦人との意見交換、現地の職業訓練センターの視察など、多岐にわたる日程をこなした。
そのなかで岩屋外相は、現地有力紙「Walf Quotidien」と「Le Soleil」に寄稿し、日本とセネガルの友好関係を強調。「セネガルが独立してから65周年という記念すべき年に訪問できたことを光栄に思う」と語り、今年8月に日本で開催予定のアフリカ開発会議(TICAD9)を見据えて、さらなる関係強化を訴えた。
稲作支援の中身は? 灌漑整備や技術普及など
寄稿の中で岩屋氏は、「米の自給達成に向けた支援」を柱の一つに挙げた。具体的には、セネガル川流域での灌漑計画の策定や、米の品質・生産性向上に向けた技術支援、南部での天水稲作(自然降水に頼った農法)の展開などが進められている。
こうした支援は、セネガル国内で米の生産から流通までの「バリューチェーン」を整え、食料輸入への依存度を下げることが目的だという。
JICAの稲作プロジェクトも後押し
日本の支援は今に始まった話ではない。JICA(国際協力機構)は2000年代初頭から、セネガルの稲作振興を後押ししてきた。とくに「PAPRIZ(セネガル川流域灌漑地区生産性向上プロジェクト)」は現地でも高く評価されており、技術移転や施設整備を通じて着実な成果を上げている。
実際、2004年には20%程度だった米の自給率が、2015年には約40%にまで上昇。セネガル政府が掲げる「完全自給」には道半ばだが、日本の支援が大きな一助となっていることは間違いない。
国内では米不足も…ネットでは複雑な声
一方で、日本国内ではコメの価格上昇や供給不安が取り沙汰されており、ネット上ではこの支援に対して複雑な反応も見られる。
「自国のコメが高騰してるのに、なぜ他国を支援?」
「外交は大事。でも日本の農業にも目を向けてほしい」
「でもこういう支援って、ちゃんと現地に根づけばすごく意義あると思う」
「TICADに向けたメッセージだろうな」
「アフリカとの関係強化は悪くない。むしろ今後の外交で大事になる」
支援の是非をめぐる意見はさまざまだが、岩屋外相の訪問を通じて、日本がアフリカとどう関係を築いていくかが改めて注目されている。