2025-04-29 コメント投稿する ▼
岩屋毅外相、国連グテレス事務総長と会談 北朝鮮核問題で連携強化へ 安保理改革にも意欲
北朝鮮の核・ミサイル問題で意見交換
岩屋毅外相は4月28日(日本時間29日)、米ニューヨークの国連本部でアントニオ・グテレス国連事務総長と会談した。会談では、北朝鮮の核・ミサイル問題を中心に、東アジアの地域情勢について幅広く意見交換が行われた。両者は、核・ミサイル開発の進展が国際社会にとって重大な脅威であるとの認識を共有し、日米を含む国際社会が緊密に連携して対応する必要性を確認した。
岩屋氏は、北朝鮮による挑発行為に対し国連安全保障理事会決議を確実に履行する重要性を訴えた。グテレス氏もまた、北朝鮮問題について「国際的圧力と対話の双方が不可欠」との認識を示し、国連として引き続き役割を果たす考えを強調した。
NPT体制の維持・強化を重視
岩屋氏はまた、自らが核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会に出席したことを報告。「NPT体制の維持と強化は、国際社会全体の安定に直結する」として、核不拡散と軍縮への日本の強いコミットメントを伝えた。
とりわけ北朝鮮の核開発問題は、NPT体制の根幹を揺るがすものと位置づけ、「核兵器のない世界」という目標に向け、各国が結束して取り組むべきだと訴えた。グテレス氏も、NPTの重要性を改めて確認し、5年ごとの再検討会議に向けた準備を進める考えを示した。
国連安保理改革にも意欲
さらに岩屋氏は、国連安全保障理事会改革に向けた日本の立場を説明。常任理事国、非常任理事国の拡大を含め、より現実的で代表性ある安保理体制の実現を目指すと表明した。日本は、ドイツ、インド、ブラジルとともに「G4」として安保理常任理事国入りを目指しており、今回の会談でもその意欲を前面に出した。
グテレス氏は、安保理改革について「国連にとって最優先課題の一つ」と応じたものの、加盟国間の意見の隔たりが大きい現状も指摘。「各国の歩み寄りが必要だ」と述べ、慎重な取り組みを求めた。
今後の外交展開に注目
岩屋外相の今回の訪米は、日米間の経済・安全保障協力だけでなく、国連を舞台とした国際的な課題解決への日本の関与を強調する狙いがあった。とりわけ北朝鮮問題については、米国だけでなく、国連と連携した多角的なアプローチが重要視されている。
また、NPT体制の強化や安保理改革といった中長期的課題についても、国際社会の理解と支持を広げることが求められる。日本外交の積極的な発信が、今後どのような成果を上げるか注目される。
- 岩屋毅外相がグテレス国連事務総長と会談、北朝鮮問題で連携を確認
- NPT体制の維持・強化の重要性を訴え
- 国連安保理改革に向けた日本の意欲を表明
- 国連側も改革は「優先課題」と認識、今後の外交展開に注目