2025-04-10 コメント投稿する ▼
岩屋外相、NPT準備委員会へ出席 「核なき世界」への決意示す
今回の準備委員会は、来年に予定されている再検討会議を見据えたもので、国際的な核軍縮の流れに大きな影響を与える場となる。これまで2015年と2022年の再検討会議はいずれも最終文書の採択に至らず、事実上の決裂に終わった。各国の対立が深まり、協調が難しくなっている中で、日本政府は国際社会における信頼回復と合意形成に向けた道筋を模索している。
岩屋外相は演説で、唯一の戦争被爆国として核兵器廃絶に向けた日本の強い意志を伝えるとともに、対立する加盟国に歩み寄りを呼びかける見通しだ。政府としては、分断が続く国際情勢の中でも、NPT体制の維持と現実的な核軍縮の前進を図りたい考えだ。
日本の外相がNPT準備委員会に出席するのは2018年以来、3回目。今回の参加は、日本が核兵器禁止条約(TPNW)の締約国会議へのオブザーバー参加を見送ったことに対する被爆者団体の強い反発に応える意味合いもある。
政府は、核兵器禁止条約について「核抑止力の考え方と整合しない」との立場を取り続けており、現時点での加盟や参加は難しいと説明している。その代わりに、NPT体制の中で「現実的かつ実効的な取り組み」を進める姿勢を強調している。
また、今回の会議では、被爆者や市民団体から寄せられている声をどこまで反映できるかも注目される。政府は先月、一部団体から「核兵器禁止条約の意義にも触れてほしい」と要望を受けた。岩屋外相がこれにどこまで応じるか、国会でも議論を呼びそうだ。
- 岩屋外相がNPT準備委に出席へ。演説で核軍縮への決意を示し、各国に結束を呼びかけ。
- 日本の外相出席は2018年以来3回目。過去2回の再検討会議は決裂。
- 核兵器禁止条約の会議への不参加を受けた批判に、NPT枠組みで応じる姿勢。
- 政府は「現実的アプローチ」に重きを置き、NPT体制強化を重視。
- 被爆者団体の要望への対応も焦点に。