2025-11-01 コメント: 1件 ▼
岩屋毅前外相が自民維新連立を厳しく批判、衆院定数削減を「乱暴」と断罪
高市早苗内閣は、公明党が10月10日に連立政権から離脱した後、日本維新の会(維新)との連立で発足しており、岩屋氏はその政策協議のあり方に対して厳しい批判を展開しました。 維新は自民党との合意で議員定数の1割削減という条件を示しており、衆院の場合は50議席の削減が念頭にあります。 記者からの質問を受けて、岩屋氏は自身の政治信念についても言及しました。
元外務大臣の岩屋毅衆議院議員(自民党・大分3区選出、67歳)氏が2025年11月1日、地元・大分県別府市で記者会見を開き、高市早苗内閣の発足に伴う外相辞任について説明しました。高市早苗内閣は、公明党が10月10日に連立政権から離脱した後、日本維新の会(維新)との連立で発足しており、岩屋氏はその政策協議のあり方に対して厳しい批判を展開しました。
「乱暴」な定数削減を痛烈批判
岩屋氏が最も強く批判したのは、自民党と維新が連立政権合意書に掲げた衆議院議員定数の1割削減方針です。「人気取りのために突然定数を削減する、比例だけ減らすというのは乱暴だ」と断じ、民主主義の根幹に関わる問題として警鐘を鳴らしました。
維新は自民党との合意で議員定数の1割削減という条件を示しており、衆院の場合は50議席の削減が念頭にあります。比例代表を50議席程度減らすことが想定されており、衆院の場合、定数465のうち小選挙区が289、比例代表が176で、仮に1割削減した場合、比例代表は120台まで削られることになります。
岩屋氏は「維新は元々、企業・団体献金の廃止が一丁目一番地だったはずだが、突然、議員定数削減、しかも比例に限って、みたいな話が出てきた」と指摘し、政策の一貫性の欠如を批判しました。さらに「選挙制度は全ての政党が同じ土俵で戦うための民主主義の基盤。連立を組む材料として2党だけでそういう約束をするのは筋が違う」と語り、民主主義の観点から問題視しました。
保守政治の理念を語る
記者からの質問を受けて、岩屋氏は自身の政治信念についても言及しました。「戦後長きにわたって自民党が国民から政権を与えられてきたのは、バランスの取れた中道保守の塊があったからで、それこそが自民党の岩盤支持層だと私は考えている」と述べ、包摂的な保守政治の重要性を強調しました。
「保守は決して攻撃的、排他的なものではなく、包摂的で、もっと温かく優しいものだ」との持論を展開し、「そこから大きく外れるなら、アラートを発せざるをえない」と現在の政治状況に対する懸念を表明しました。
「定数削減ありきの改革は本末転倒だよね」
「維新も企業献金禁止から逃げて議員削減に話をすり替えた感じ」
「岩屋さんの言う通り、民主主義の基盤を軽視しすぎ」
「比例だけ削るって明らかに小政党潰しじゃないか」
「自民の良識派の声をもっと聞きたい」
公明党の役割を評価
26年間続いた自公連立から離脱した公明党について、岩屋氏は高く評価しました。「自民党だけで独断専行するのではなく、さまざまな課題について公明党の意見を聴き、丁寧に合意をつくってきた。特に外交・安全保障政策では公明党が、いい意味のブレーキ役を果たしてくれた」と振り返りました。
次期衆院選での公明党との選挙区調整については「自公で選挙協力をしながら二十数年間戦ってきたし、私自身もそうだった。これからじっくり考えていきたい」と述べ、今後の関係性について慎重な姿勢を示しました。
減税政策への懸念も
小選挙区は各選挙区で最大得票の候補者1人しか当選できないため、それ以外の候補者の得票は議席に結びつかない「死票」となる一方、比例代表は票数に応じて定数内で政党候補者の当選人数が決まるため民意が正確に反映される仕組みです。比例代表の削減は、小選挙区が持つゆがみをさらに拡大させ、少数意見の切り捨てにつながると専門家は指摘しています。