2025-09-04 コメント投稿する ▼
岩屋毅外相、ガザ停戦を強く要求 「容認できない」軍事作戦と2国家解決への支持表明
岩屋毅外相は4日、イスラエルのサール外相と電話会談を行い、パレスチナ自治区ガザで拡大する軍事作戦や住民の飢餓状況について「到底容認できない」と強く抗議した。 岩屋外相は会談の中で、イスラエルとパレスチナが共存する「2国家解決」を改めて支持する立場を強調した。 今回のガザ情勢に対する発言は、単なる人道支援にとどまらず、地域の安定化と日本の国際的立場を強化する狙いがある。
岩屋毅外相、ガザ軍事作戦に「容認できない」
岩屋毅外相は4日、イスラエルのサール外相と電話会談を行い、パレスチナ自治区ガザで拡大する軍事作戦や住民の飢餓状況について「到底容認できない」と強く抗議した。日本は外交を通じてイスラム組織ハマスとの停戦を働きかける姿勢を鮮明にし、人道危機の即時終結を求めた。外相がイスラエル側に対しここまで強い表現を用いたのは異例であり、日本外交の立ち位置を国内外に示した格好だ。
「2国家解決」への支持と入植地問題
岩屋外相は会談の中で、イスラエルとパレスチナが共存する「2国家解決」を改めて支持する立場を強調した。イスラエル政府がヨルダン川西岸における大規模なユダヤ人入植地建設計画を承認したことについても、「2国家解決に逆行するいかなる行為にも反対する」と述べた。日本は従来から、国際社会の合意に基づく2国家解決を唯一の持続的平和の道と位置付けており、今回の会談でもその姿勢を明確にした。
国際社会と歩調を合わせる日本外交
ガザ情勢をめぐっては、欧米諸国や国連が停戦や人道支援の強化を求めているが、軍事衝突は拡大傾向にある。日本政府はこれまで人道支援物資の拠出や外交的調整を行ってきたが、戦闘の即時停止を強く要求したのは今回が初めてとなる。岩屋外相の発言は、イスラエル寄りと見られがちな米国との距離感を調整しつつ、中東和平に向けた「バランス外交」を打ち出す意味を持つ。
ネット上でも反応が相次いでいる。
「日本がここまで強く言ったのは珍しい」
「停戦要求は当然だが、実効性をどう担保するのか」
「2国家解決の支持を明確にしたのは評価できる」
「人道危機を放置すれば国際社会の信頼を失う」
「日本は“ポピュリズム外交”に流されず筋を通すべき」
ガザ停戦要求と石破政権の外交課題
石破茂政権は、防衛力強化を進める一方で「国益を可視化する外交」を掲げてきた。今回のガザ情勢に対する発言は、単なる人道支援にとどまらず、地域の安定化と日本の国際的立場を強化する狙いがある。ただし停戦実現にはイスラエル、ハマス双方の合意が不可欠であり、日本の働きかけだけでは限界もある。
外交成果を国民に明確に示し、「援助の見返りが何であったのか」を説明できなければ、従来の「ポピュリズム外交」と変わらないとの批判も出かねない。石破政権にとって、今回の停戦要求が国益にどう結びつくのかを示すことが大きな課題となる。