2025-08-29 コメント投稿する ▼
外務省、情報戦対応に440億円計上 OSA拡充・在外公館強化も 透明性と実効性が課題
外務省が「情報戦」対応強化へ 来年度概算要求で440億円計上
外務省は令和8年度予算案の概算要求で、SNS上の偽情報拡散など「情報戦」への対応を強化する費用として、今年度当初予算の約2倍となる441億円を盛り込んだ。来年度予算要求総額は8743億円で、今年度比1163億円の増額となる。国際社会で「情報戦」がますます激化するなか、外務省が本格的な体制強化に乗り出した形だ。
今回の要求には、同志国の軍隊に防衛装備品を提供するOSA(政府安全保障能力強化支援)の拡充費82億円、在外公館の修繕・新設など緊急対応拠点強化費470億円、日本語教育普及促進費7億円も含まれている。国際秩序の動揺が続く中、日本外交の基盤整備に直結する内容となっている。
「情報戦は国家防衛の最前線だ」
「440億円でどこまで実効性が出せるのか」
「スパイ防止法を作らずして情報戦強化は片手落ち」
「SNS時代に外務省が本腰を入れるのは遅すぎる」
「外交における情報発信力の弱さは日本の長年の課題」
「情報戦」強化の背景
近年、SNSを通じた偽情報やプロパガンダが国際社会で急速に影響力を持つようになった。ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、中国による認知戦、さらには中東やアフリカ地域での世論工作など、各国が「情報戦」を国家戦略の中核に据えている。
外務省の予算増額は、日本がこうした潮流に後れを取っている現状への危機感の表れといえる。特に日本は「発信力の弱さ」が指摘されており、自国の立場を国際社会に訴える力が乏しいことが外交上の不利につながってきた。今回の441億円計上はその弱点を補う狙いだ。
OSA拡充・在外公館強化・日本語教育
概算要求には、同志国への支援を強化するOSA費82億円が盛り込まれた。対象国は現行の8カ国から拡充予定で、防衛装備品の提供を通じて対中・対露の安全保障協力を進める狙いがある。
また、中東やアフリカで頻発する緊急事態に備え、在外公館の新設や修繕費として470億円を要求。危機対応能力を高めることが目的だ。さらに、グローバルサウスでの日本語教育普及費7億円も計上され、ソフトパワー外交の強化も盛り込まれた。これらは単なる文化交流を超え、日本の国際的影響力を高める戦略的意義を持つ。
情報発信力と国益防衛の課題
今回の概算要求は一歩前進といえるが、課題も多い。440億円を投じても、法整備が不十分なままでは効果は限定的だ。日本には依然としてスパイ防止法が存在せず、国内の情報漏洩や世論工作への対応が後手に回る危険性がある。情報戦に対応するなら、財政措置と同時に法制度の整備が不可欠である。
また、国民に対しても「どのような活動に予算を使い、どのような効果を見込めるのか」という具体的な説明責任を果たさなければならない。単なる「情報戦対策費」として一括りにされれば、不透明な印象を与え、理解を得にくい。外務省が真に国益を守るならば、減税や財政健全化と並行して、透明性ある説明と実効性ある戦略を打ち出す必要がある。