2025-07-24 コメント投稿する ▼
横浜市中学校給食に衛生不備の連続指摘 全員給食導入前に高まる不安の声
「異臭」「クモの巣」「毛髪混入」…調査報告が暴いた現場の実態
横浜市の中学校給食に関する定期衛生調査で、調理工場のずさんな管理が多数報告されていたことが明らかになった。情報公開請求により開示された昨年度の「衛生調査報告書」には、「排水溝からの強い異臭」「フライヤーのクモの巣」「ゴミがあふれる調理場」など、給食の安全性を疑問視する内容が列挙されている。
特に目を引くのは、調理器具に汚れが残ったまま使用されそうになっていたケースや、洗い残しの容器が一晩中放置されていたとの指摘。「鼠族や衛生害虫の発生につながる」とされる状況が、実際に発生しかねない環境だったことが報告された。
また、調理そのものについても「主菜の量にばらつきがある」「魚にふる塩の量が極端」など、品質の不安定さが指摘された。横浜市教育委員会は「その都度改善に努めている」とコメントしているが、現場の衛生意識に根本的な改善が必要との声も多い。
「これが中学生の給食現場?親としては恐怖しかない」
「食育って言うけど、こんな調理環境じゃ話にならない」
「チキンカツ転がして検品って…それ検品じゃなくて汚染」
「毛髪が頻繁って…帽子すらまともにかぶってないのか」
「給食費払ってこれ?安全どころかリスクしかない」
市民からは、怒りや不安の声が多く寄せられている。
報告書は黒塗り、非公表 安全性に対する説明責任は
開示された「衛生調査報告書」は、昨年4月から今年3月までに市が契約する5工場を月2回調査した結果をまとめたものだ。だが、工場名や写真は黒塗りされ、どの施設でどの問題が起きたのか特定できない状態で公表された。
こうした情報の隠蔽体質に対し、「なぜ隠す必要があるのか」「責任の所在が曖昧では改善されない」といった批判も多く、市教委の透明性が問われている。給食という子どもたちの命に直結する分野であるだけに、原因の開示と具体的な再発防止策が求められる。
報告書の中では、「スタッフの毛髪が帽子からはみ出していた」「ゼリーの汁が蒸ししゅうまいにかかった」「コンテナ内でチキンカツを転がしていた」など、調理工程の不衛生さや手抜きと見られる行為も確認された。
昨年度の異物混入342件 全員給食移行に市民の懸念
横浜市では現在、中学校給食は希望者のみの選択制だが、来年度からは全員給食へと移行する方針だ。しかし昨年度だけで異物混入が342件も報告されており、件数の多さは見過ごせない。
混入物の最多は毛髪で、現場スタッフの衛生管理の甘さが背景にあると見られる。こうした中で全員給食に拡大すれば、現状の管理体制ではさらなる衛生リスクの拡大を招く恐れがある。
市教委は「指摘事項はその都度確認し、改善に努めている」と説明するが、同じような指摘が繰り返されている事実は、改善が徹底されていない証左でもある。
責任の所在をあいまいにしたままでは信頼回復は困難
市の説明では、調査は外部業者に委託しており、その指摘をもとに改善を促しているとのことだ。しかし、現場での改善の進捗や、再発防止に向けた具体策、教育委員会による指導の実効性などは曖昧なままで、市民の不安は増すばかりだ。
今後、全員給食がスタートすれば、1日あたりの給食提供数は大幅に増える。衛生管理が今の水準のままでは、安全性を保てるとは到底言い難い。安心して子どもを学校に送り出せる環境の整備こそが、何よりも優先されるべき課題だ。
行政には、施設名や実態の開示、責任の明確化、現場スタッフの再教育など、実効性ある改善策を示すことが強く求められている。