2025-10-11 コメント投稿する ▼
横浜市、YWCA補助金の一部返還請求へ 監査勧告で支出再調査
市監査委員が7月に「経費の一部が不当」と勧告し、市長が再調査を実施した結果、補助対象の経費算定に問題が確認されたための措置。 市の監査結果によると、同事業では自施設の使用料や光熱費の計上方法、人件費の按分、領収書の不備などが確認された。 監査委員は市に対し、経費の根拠を明確化し、補助金の再調査・特定を行うよう求めていた。 今後、経費区分の明確化や按分ルールの標準化を求めている。
横浜市、女性支援事業の補助金一部を返還請求 監査勧告受け再調査へ
横浜市は、公益財団法人「横浜YWCA」(中区)が2023年度に実施した若年女性支援モデル事業に対し交付した補助金145万円のうち、一部に不適切な支出があった可能性があるとして、返還請求などの対応を進める。市監査委員が7月に「経費の一部が不当」と勧告し、市長が再調査を実施した結果、補助対象の経費算定に問題が確認されたための措置。
市の監査結果によると、同事業では自施設の使用料や光熱費の計上方法、人件費の按分、領収書の不備などが確認された。監査委員は市に対し、経費の根拠を明確化し、補助金の再調査・特定を行うよう求めていた。市はこれを受け、事業経費の再精査と適正な算定ルールの策定、領収書管理の徹底などを指示した。
市監査委員は、「支出の根拠が不明瞭な領収書が複数あり、補助対象経費と断定できない」「市民への説明責任を果たすため、透明性確保が必要」と指摘。今後、経費区分の明確化や按分ルールの標準化を求めている。
今回の事案は、住民監査請求に基づく監査結果に沿って行われたもので、地方自治法第242条に基づき市長が講じた措置を公表した。横浜市は「再発防止策を講じ、補助金事務の適正運用に努める」とコメントしている。
分析:補助金運用の「緩み」と監査制度の機能
本件は、自治体の補助金制度における会計管理の不備を浮き彫りにした。特に、公益法人などの自施設利用に関する経費算定は、減価償却や光熱費の按分方法が曖昧なケースが多い。監査側が再調査と透明性強化を求めたのは妥当な判断であり、形式的な書類審査に依存していた市の補助金管理体制には課題が残る。
一方で、こうした監査結果が実際に返還請求まで至るケースは全国でも限られており、住民監査制度が有効に機能した例として注目される。