2025-09-11 コメント投稿する ▼
横浜・大黒ふ頭で大量の“ナンバーなし車”放置 行政の曖昧な説明に不信感
現場を訪れた取材班は、警告書が貼られた車や、警告書がなく新車同然で並ぶ車両を確認している。 加えて、警告書が貼られる車と貼られない車の差も指摘されている。 新車のように見える軽自動車には警告書がないケースもあり、基準の不透明さが「行政の対応は甘いのではないか」との不信感につながっている。
大黒ふ頭に大量放置される“ナンバーなし車両”
横浜市の大黒ふ頭で、ナンバープレートのない車が道路沿いに多数並び、地域住民や利用者の目を引いている。中には窓ガラスが割れ、ごみが積まれた長期間の放置車両もあれば、ピカピカの新車に見える軽自動車や高級外車も含まれていた。現場を訪れた取材班は、警告書が貼られた車や、警告書がなく新車同然で並ぶ車両を確認している。
「ナンバーのない車がこんなに並んでいるのは異様だ」
「これでは港の景観が台無しになる」
「新車同然の軽まで止められているのはおかしい」
「輸出業者の“仮置き場”と化している」
「警告書を貼っても改善されないのでは意味がない」
“仮置き場”と化す道路
大黒ふ頭の道路は港湾施設内にあり、一般道路とは異なり私有地に準じた扱いとなる。そのため道路交通法の直接の規制を受けず、短期間であればナンバーがない車を止めることが事実上容認されている。この“隙間”を突く形で、輸出前の中古車が路肩に並ぶ実態が広がっている。
実際に現場で取材したところ、「全部、検査の車だ」「たぶん明日にはなくなる。みんなやっている」と語る男性がいた。取材に応じたこの人物は、並んでいる複数の車が自分の所有であることも認めた。港湾局によれば、海外に輸出される中古車の“仮置き”である可能性が高いという。
行政の対応と課題
横浜市港湾局は「所有者に粘り強く指導を行い、場合によっては自宅に出向いて家族にも伝える」と説明している。しかし、現実には大量の車両が並び続けており、行政対応の実効性が問われている。景観悪化や不法投棄の温床となりかねない状況に、地域からは懸念の声が強まっている。
加えて、警告書が貼られる車と貼られない車の差も指摘されている。新車のように見える軽自動車には警告書がないケースもあり、基準の不透明さが「行政の対応は甘いのではないか」との不信感につながっている。
数字で示されない“実態”が不信感に
今回の取材では「輸出前の中古車」という説明はなされたものの、「何台存在しているのか」「どの程度の期間、放置されているのか」といった具体的な数字は示されていない。行政が「粘り強く指導する」と述べるだけでは、国民にとっては曖昧に映る。現に、数十台単位でナンバーなし車両が並ぶ光景は、単なる一時的措置とは思えない規模感を示している。
政策や行政の信頼を高めるためには、実際の台数や平均放置日数、撤去実績などを公開し、定量的なデータで市民に説明する必要がある。「フワッとした説明」では、国民の間に「業者と行政が黙認しているのでは」といった疑念を生む危険がある。公共空間に関わる問題は、数字を伴う透明な説明こそ不可欠である。