2025-08-22 コメント投稿する ▼
自民党大敗で森山幹事長進退問題 「降格奇策」と実権維持の行方
自民党大敗と森山幹事長の進退問題
参院選で大敗を喫した自民党では、石破茂首相と並んで森山裕幹事長の去就が大きな焦点になっている。森山氏は総括ののち辞任を示唆しているが、少数与党の国会運営を担う上で不可欠な存在であるため、党内では「幹事長代行や代理への降格」という前例を踏まえた奇策が検討されている。実質的には「陰の幹事長」として続投し、実権を維持するのではないかという見方が広がる。
党内の調整力と野党へのパイプをもつ森山氏は、石破政権を支える最後の切り札とされており、去就をめぐる議論は政権の命運と直結している。
「辞任を示唆しても結局は残るんじゃないか」
「降格で責任を取った形にして裏で仕切るのは姑息だ」
「参院選の責任は重い、潔く辞めるべきだ」
「石破首相には友達がいないから森山に頼らざるを得ない」
「小泉進次郎が幹事長になれば話題性は十分だろう」
森山氏の存在感と石破政権の脆弱さ
石破首相は長らく党内基盤が弱く「党内野党」とも呼ばれてきた。そのため政権を維持するには森山氏の存在が不可欠とされる。森山氏は歴代最長4年の国対委員長経験を持ち、野党や各省庁に幅広いパイプを築いてきた。衆参で過半数を割る少数与党の現状では、野党の協力なくして法案の成立は難しい。そのため「森山氏が中枢から去れば政権は立ち行かない」とまで言われている。
森山氏は7月28日の党両院議員懇談会で「参院選の総括報告をまとめ、その段階で責任を明らかにしたい」と語った。これは幹事長としての責任を認めつつも、具体的な辞任時期や方法を明言せず、余地を残す発言でもあった。
「降格人事」の前例と小泉進次郎の名前
党内では、幹事長から幹事長代行・代理に降格することで「責任を取った」体裁を整え、実質的に権力を維持する案が浮上している。過去にも2004年参院選で安倍晋三氏が幹事長から幹事長代理に回された前例があり、奇策として現実味を帯びる。
後任人事としては小泉進次郎農林水産相の名が取り沙汰されている。世間の注目度が高く、若さと発信力で党イメージ刷新に寄与すると見られる一方、経験不足や話題性頼みとの批判もある。石破首相にとっても世論の目をそらす延命策になりうるが、政権の根本的な基盤強化にはつながらないとの指摘も少なくない。
残留による影響と政権基盤の危機
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「森山氏が残っても状況が好転するわけではない」と指摘する。参院選に続き衆院選でも自民は厳しい局面を迎えており、選挙責任者としての木原誠二選対委員長とともに森山氏は退くべきだという声は根強い。また、非公認候補に対して党資金2000万円を振り込んだ件など、森山氏の手腕そのものにも疑問符がついている。
自民党が直面しているのは、個人の去就ではなく組織全体の信頼喪失だ。長期にわたり「政権与党」の地位に安住してきたが、参院選の大敗は国民が不満を突きつけた結果である。国会運営に必要な森山氏を残すか、責任を明確にして刷新を図るか。石破政権と自民党は厳しい選択を迫られている。
森山幹事長の進退は単なる人事問題ではなく、石破政権の延命戦略そのものと直結する。党内の基盤が弱い首相にとって森山氏は不可欠な存在である一方、国民の信頼を失ったまま「陰の幹事長」として居座れば、政治不信を一層深めることになる。参院選敗北で突き付けられたのは、自民党の体質そのものの転換である。森山氏の判断は、自民党が変われるのか、それとも閉塞のまま漂流するのかを映し出す鏡となるだろう。