共産・紙智子議員が決算に反対 軍拡批判と平和外交への執念、しかし理念偏重に懸念も

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共産・紙智子議員が決算に反対 軍拡批判と平和外交への執念、しかし理念偏重に懸念も

戦争国家化に反対する共産党の立場と決算批判


2023年度決算に対する日本共産党・紙智子議員の反対討論は、「戦争国家づくり元年予算」と厳しく断じた軍拡路線への明確な異議申し立てから始まった。敵基地攻撃能力の保有を含む安保三文書に基づいた予算編成により、紙氏は「国民の暮らしを守る予算が圧縮された」と批判し、5年間で43兆円にのぼる大軍拡に踏み切った政府の姿勢を問うた。

国民生活を支えるはずの予算が軍事費に吸い取られたことを問題視し、その結果としての23年度決算を「是認できない」と断言した。紙議員は、「戦争をしない国家」こそが日本の進むべき道だという立場から、軍拡路線に対抗する姿勢を鮮明にしている。

平和主義と国民運動の原体験を通じた政治観


討論の中で紙議員は、自身の政治家としての原点にも触れた。2001年、牛海綿状脳症(BSE)の発生時に、農林水産委員長として閉会中審査を実現させた経験を引き合いに出し、「国民にとって切実な問題に国会は応えるべきだ」と語った。

また、東日本大震災直後に被災地・福島を訪れたときの衝撃や、原発再稼働反対デモの高まりを目の当たりにしたことが、「政治は国民の声で動く」との確信に変わったとも述べた。

安保法制に反対する根底には、自身の父親から聞いた戦争体験があるという。特攻隊員と前夜に水杯を交わし、その若者たちが帰ってこなかった事実は、二度と繰り返してはならない悲劇として語られ、「憲法9条を守れ」という信念を支えている。

農政軽視と自由化路線への反発


紙議員はこの24年間の農政を、「規制緩和と自由化との闘いの連続」と表現した。近年のコメ不足や価格高騰は、まさに政府の規制緩和路線の帰結であり、TPPをはじめとする自由貿易協定が農業基盤を破壊したと断じた。

また、農業・農村を支えず、すべて自己責任で済ませようとする姿勢は、日本の将来を危うくするものだと警鐘を鳴らす。農政においても、グローバル化一辺倒ではなく、「人と環境にやさしい」方向への転換が必要だという。

一方で、現行の農業政策の根本的誤りは、まさに「新自由主義」的発想に基づく点にある。価格や需要の安定を市場に丸投げし、生産者保護を後回しにする構図こそが、国内の農業離れと生産基盤の崩壊を加速させている。

「志高清遠」—理想と現実のはざまで


討論の最後には、北海道えりも町の漁師から教わった「志高清遠(こころざしたかくせいえん)」という言葉を紹介し、自らの政治姿勢を改めて表明。「志を高く持ち、清い心で、遠い未来を見据えて生きよ」という教訓を大切にしながら、地域の人々とともに歩む決意を語った。

ただし、共産党の政策は理念先行に過ぎる側面も否めない。軍拡や安保強化に対する一律の反対、あるいは自由貿易の全面否定では、日本の安全保障や経済成長に対し逆効果になる可能性もある。現実に目を向ければ、国際情勢は複雑さを増し、中国や北朝鮮の軍拡も進んでいる。そうした中で、外交努力だけでは平和は守れないという現実的視点も必要だ。

防衛力の強化が即「戦争国家化」と結びつけられる論調にはやや飛躍がある。むしろ、自国を守る抑止力は他国との均衡において必要不可欠であり、現実に即した憲法改正論議や、国家としての防衛体制の再構築は避けて通れない課題である。

冷静な財政運営と減税こそが経済回復の鍵


紙議員が主張した「暮らしの予算圧縮」には一定の説得力がある。しかしながら、その解決策としての「平和予算」「公共支出の拡大」には、財政の持続性を欠く懸念がつきまとう。真に国民生活を支える道は、バラマキ的な給付や財政出動に依存することではなく、まずは減税によって可処分所得を増やすことが本筋だ。

日本経済の立て直しには、個人・法人双方への減税が不可欠であり、政府による税収の吸い上げ→給付という非効率な循環は断ち切るべきである。加えて、複雑で不公平感を生むインボイス制度も見直し、現場の事業者の実情に合った簡素な税制へと転換する必要がある。

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2025-06-12 12:59:23(S.ジジェク)

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