診療報酬の大幅引き上げと医療機関存続を要求

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診療報酬の大幅引き上げと医療機関存続を要求

診療報酬大幅引き上げを求める声強まる 医療機関の存続危機。 ある医療団体は、2020年を基準とした場合に、2025年までに消費者物価指数が約12%上昇したのに対し、基本診療料の改定幅はごくわずかだったとして、現場の乖離を問題視しています。

診療報酬大幅引き上げを求める声強まる 医療機関の存続危機

医療機関経営が逼迫 ― 署名18000筆超で要請


全国の医師・歯科医師約1万8,072人分の署名を集めた 全国保険医団体連合会(保団連)は、2025年12月4日、財務省 と 厚生労働省 に対し緊急財政措置と共に 診療報酬の大幅引き上げ を求める要請書を提出しました。要請には、共催する形で 小池晃 書記局長(日本共産党)も同席しました。近年、医療機関の経営悪化が広がるなか、医療現場からの危機感が突きつけられた形です。

保団連のまとめによれば、65.5%の医療機関が前年度に比べ「減収」と回答し、光熱費や医療材料費、人件費などが高騰したにもかかわらず、9割超が 診療報酬だけではその増加を補えなかった と答えています。こうしたコスト増と報酬抑制の綱引きによって、多くの医療機関が「存続できない」と危機感を訴えてきました。

物価高・人件費上昇と報酬の乖離 ― 赤字医療機関が拡大


背景には、2020年以降の急激な物価上昇があります。消費者物価の伸びに対して、公定価格である診療報酬の改定は追いついていないとの指摘があります。ある医療団体は、2020年を基準とした場合に、2025年までに消費者物価指数が約12%上昇したのに対し、基本診療料の改定幅はごくわずかだったとして、現場の乖離を問題視しています。

実際、2024年6月の診療報酬改定では初診料・再診料の点数はやや引き上げられたものの、生活習慣病の管理料や処方に関わる点数では大幅な削減があり、トータルで医療機関の多くが収入減に陥りました。保団連の調査では、光熱費・材料費などの経費高騰分を報酬で補填できていると答えた医療機関はわずか9%にとどまりました。

また、複数の病院団体の分析では、スタッフの人件費は増えているものの、医薬品費・医療材料費・光熱費・外部委託料など「医療提供に欠かせない経費」の上昇割合がさらに大きく、2023年時点で一般病院1施設あたりで数千万円単位の収支悪化が指摘されています。

加えて、医療機関の中には病床をフル稼働させても黒字化が難しい例が目立ち、地域における入院医療の崩壊や「突然の閉院」の可能性が現実味を帯びています。

要請の核心 ― 国庫負担増と全医療機関へのプラス改定


要請に立った保団連の幹部は、現在の状況を「医療機関の存続が危ぶまれる重大な危機」と位置付け、全国すべての医療機関を対象としたプラス改定を強く求めました。特に材料費・人件費といった診療に必要な経費が追いつかないままでは、医療崩壊につながるという警鐘を鳴らしています。

小池氏は、長年にわたる診療報酬の“実質抑制”こそが今回の医療危機の根本だと指摘。国庫からの負担を拡大し、患者負担を増やさずに医療機関を支える形での大幅改定を求めました。

さらに、複数の医療団体は、次回の診療報酬改定(2026年度見込み)に向けて、物価・賃金の上昇を反映する仕組みの恒久導入を求めています。具体的には、現在のように“高齢化率の伸びに社会保障費を抑える”という枠に縛られず、実勢に即した報酬水準を保障すべきだという訴えです。

制度維持と患者負担 ― だが反対の声も


一方で、こうした一律の診療報酬引き上げには、医療費全体の増加や患者負担、あるいは保険料負担の増大につながるとの懸念があります。大手の業界団体は、基本診療料の単純一律引き上げは「医療機関・薬局の経営安定」という視点からは理解できるが、医療費の膨張と保険制度の持続可能性を考えると慎重にすべきだという立場を示しています。

ただし、現場医療者の間では、「今ある制度が形骸化しては意味がない」「地域医療の崩壊を見過ごせない」との声が圧倒的に強く、社会保障予算の目安抑制をやめ、実情に即した支援を求める機運が高まっています。

保団連は今後も署名活動や要請行動を続ける方針で、2026年度改定に向けた交渉が焦点となります。医療機関の経営危機から地域医療の崩壊を防げるか、政府の判断が注目されます。

診療報酬の「引き下げ」ではなく、「国庫での支え」と「現場を守る抜本施策」が今こそ必要です。

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2025-12-05 11:09:31(S.ジジェク)

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