2025-11-16 コメント投稿する ▼
小池晃「医療・介護削減は経済縮小招く」社会保障論争を断つ
社会保障は国が削るべき「コスト」ではなく、生活を安定させ、経済を下支えする最重要の公共投資だという立場を明確にした。 社会保障の負担を「世代」で押し付け合うのではなく、「支払能力」に応じた公平な負担への転換が必要だと主張した。 討論では外国人の医療制度利用についての指摘もあったが、小池氏はこれを根拠の乏しい議論だと批判した。
小池晃氏が医療費削減路線に反論
小池晃書記局長は2025年11月16日の討論で、日本の社会保障支出は他の先進国より少なく、経済規模に照らしても十分に維持できる水準だと強調した。医療用医薬品の保険外しなど給付削減を進めれば、消費や雇用が冷え込み、経済縮小を招くと厳しく指摘した。社会保障は国が削るべき「コスト」ではなく、生活を安定させ、経済を下支えする最重要の公共投資だという立場を明確にした。人口減少に直面する日本では、国民の健康と生活基盤を弱める政策は逆効果だと訴えた。
保険外しなど社会保障の給付を減らせば消費も雇用も冷え込んで経済はますます縮小していくことになる
一方、自民党の田村憲久社会保障制度調査会長は医療費削減路線を示し、日本維新の会も病床削減や医療DXによる効率化を進めるべきだと主張している。小池氏は、こうした“効率化”の名を借りた縮小政策こそ医療体制を弱体化させ、国全体の持続性を失わせると批判した。
世代分断を避ける負担議論
75歳以上の窓口負担を2〜3割に引き上げる案についても、小池氏は強い反対姿勢を示した。高齢者の負担増は、そのまま家族で支える現役世代の負担増につながり、生活を圧迫するだけだと指摘した。高齢者を財政負担として扱う議論そのものが誤りであり、世代間の対立を煽る危険な論法だと批判した。
「現役世代の多くは、高齢の家族を支えており、高齢者の負担増は現役世代の負担に直結する」
「高齢者と現役世代を対立させるような議論の立て方はやめるべきだ」
診療報酬についても抜本的引き上げを主張した。特に地域医療を支える診療所の赤字拡大は深刻で、このままでは医療アクセスが奪われ、地域間の健康格差が広がると警鐘を鳴らした。
介護の危機と財源のあり方
訪問介護報酬引き下げによって事業所倒産が相次ぎ、介護職員の離職も止まらない。介護離職が年間10万人に達している現状は、家族の生活とキャリアを破壊し、社会全体の生産性を奪っていると指摘した。要介護1・2の保険外し、介護利用料2割負担の拡大といった政策は、介護基盤を根本から崩す「危険な引き締め」だと批判した。
こんな時に維新は医療費を4兆円も削減すると言い、自民党はその維新と連立で合意した。こんなことでは日本の医療は崩壊する
財源について、小池氏は大企業優遇税制や低い金融所得課税の見直しこそ先に議論すべきだと強調。社会保障の負担を「世代」で押し付け合うのではなく、「支払能力」に応じた公平な負担への転換が必要だと主張した。
外国人への偏見を排す議論
討論では外国人の医療制度利用についての指摘もあったが、小池氏はこれを根拠の乏しい議論だと批判した。多くの外国人が税や保険料を支え、労働力として社会を支えている事実を無視した議論は、ただの偏見に基づくものだと断じた。必要なのは、特定の集団を攻撃することではなく、制度全体の欠陥を見直し、すべての生活者の権利を守る改革だと訴えた。
社会保障制度を悪くしてきたのは外国人ではなく自民党だ。多くの外国人は税金も社会保険料も払って社会保障制度を支えている
社会保障を立て直すために必要な視点
小池氏は、国民の不安を煽りながら負担増と給付削減を押し進める政治の流れを転換すべきだと改めて強調した。医療・介護への適切な投資、働く人の待遇改善、生活の安定こそが、経済の好循環を生み出す基盤になるという一貫した立場を示した。社会保障は「支出」ではなく「未来への投資」であり、持続可能な国家を支える根幹だという姿勢で締めくくった。国民の命と暮らしを守る政治への転換が、いま最も問われている課題だと強く訴えた。