最高裁「生活保護減額は違法」判決が突きつけた現実 被害回復と制度見直しの行方

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最高裁「生活保護減額は違法」判決が突きつけた現実 被害回復と制度見直しの行方

最高裁「違法」判決で問われる自治体の責任 生活保護削減の余波が今も続く


最高裁が下した重大な判断

最高裁判所が2024年6月27日に示した「平成25~27年の生活保護費減額は違法」とする判決は、生活困窮者支援の根幹を揺るがすものだった。大阪でこの減額を不服として提訴していた原告らが、大阪市に対して被害回復と制度の影響調査を求める要望書を1日に提出した。

この訴訟は、国が段階的に生活保護費を引き下げたことに対し、受給者が「生活が困難になった」として異議を唱えたものだ。最高裁は「専門家の検討を経ず、物価変動率のみを根拠に支給額を決定した」点を明確に違法と認定。これは、行政手続きの透明性と合理性が問われる形となった。

制度連動の“副作用”が拡大


注目すべきは、生活保護費の減額が単に当該受給者の生活水準に影響しただけでなく、社会制度全体に波及している点だ。大阪訴訟の原告代理人である小久保哲郎弁護士は「生活保護基準に連動する制度は少なくとも47種類に上る」と指摘。例えば、子どもの就学援助や医療費の自己負担免除なども、生活保護基準を参照しており、結果として“支援からこぼれ落ちる人”が続出している。

「母子家庭だけど就学援助が切られた。生活保護基準を理由にされた」
「冷房も我慢して電気代削ってたのに、国は間違い認めないのかよ」
「最高裁が違法って言ったのに、救済がないとか意味わからん」
「子どもに制服買ってあげられなかったの、今さらどうにもならない」
「制度連動でじわじわ生活に打撃、ホントに酷い」

生活保護の基準額は単なる一制度の数値ではない。行政サービスの多くがこの基準を根拠としており、それが一方的に下げられたことで、救済から外れる市民が急増したのだ。

夏季加算の創設を求める声


原告らは、生活保護制度自体の改善も求めている。特に注目されているのが、熱中症のリスク対策だ。エアコンの使用が推奨されながら、その電気代が生活を圧迫しているという現実がある。

「熱中症対策のためにも冷房使用に伴う電気代に対応した『夏季加算』を設けてほしい」と、今回の要望書では強く訴えられた。とくに高齢者や障害者世帯では、暑さを避ける術が限られており、命に関わる問題にもなりかねない。

国の責任は? 被害回復は進むのか


最高裁は、生活保護基準の引き下げが「違法」と判断した一方で、国に対して賠償責任は認めなかった。これは法的には可能でも、道義的な説明がつくものではない。原告の男性(71)は「よりよい生活保護制度を築く絶好のチャンスだ」と語った。

では、具体的な「被害回復」はどう進むのか。大阪市はこの要望書をどこまで重く受け止めるのか。国は今後の生活保護基準策定において、より専門的かつ透明なプロセスを踏むことができるのか――多くの国民がその対応を注視している。

行政に求められるのは、「違法だった」と認めた判断に基づき、影響を受けた人々にどう寄り添うかだ。「間違っていたけど、責任は取りません」という態度は、信頼を著しく損なうだろう。

制度の根幹が揺らいだ今、問われるのは“回復力”


生活保護制度は「最後のセーフティネット」とされるが、今回の判決は、その網が破れていたことを明らかにした。国が支給額を恣意的にいじった結果、制度に連動する支援まで巻き添えにした。これが“構造的な被害”であることは明白だ。

市民に寄り添う行政、透明で信頼できる制度、そして違法性を認めたあとの誠実な対応――今こそ、社会全体がそれを問い直す時である。

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2025-07-02 11:52:09(植村)

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