大阪市、水道料金3カ月分を減免へ 約82億円投入に賛否の声「給付より減税を」

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大阪市、水道料金3カ月分を減免へ 約82億円投入に賛否の声「給付より減税を」

大阪市、水道料金3カ月分を減免 負担軽減に81億円投入の是非


物価高騰対策で上下水道基本料金を全額免除 大阪市の狙いと現実
地方創生臨時交付金と基金取り崩しで財源確保 持続可能な支援か一時しのぎか
給付より減税を求める声も 政策のあり方に疑問符

大阪市議会は7月1日、本会議で令和7年度補正予算案を可決し、その中に物価高騰対策として市民・事業者の上下水道の基本料金を3カ月間全額減免する81億8700万円の支出が盛り込まれた。対象は約177万の世帯と事業者で、10〜12月検針分の基本料金(水道935円、下水道605円)を全額免除する。1世帯あたりの減免額は最大4620円だ。

一見すれば市民生活に寄り添った対策のように映るが、政策としての持続性、実効性には疑問の声も上がっている。

約82億円をかけて「4620円の減免」 本当に市民のためか


水道料金3カ月分の基本料金を減免する対象は、全市民を含む約177万の世帯・事業者。1世帯あたり4620円の軽減となるが、これにかかる総費用は81億8700万円にものぼる。これほどの予算を投じて実現するのが「一時的な数千円の恩恵」であることに、市民の間からは冷ややかな見方も出ている。

「数千円もらっても、物価全体が上がってるから焼け石に水」
「減税してくれたほうがよほどありがたい」
「補助金とか給付金のバラマキはもう限界。インフレにも逆効果じゃ?」
「水道代より電気やガスの方がきつい。なんで水道だけ?」
「その金で教育費や医療の無償化に使ってくれた方が良かった」

市が示した財源のうち、6億9600万円は国からの地方創生臨時交付金で賄うが、残りの74億8900万円は市の財政調整基金を取り崩して充てる。将来に備えた貯蓄を取り崩すこの方針に、「今しか見ていない」との批判も根強い。

給付金より減税を 根本的な制度改革を求める声


こうした給付や減免策が繰り返される背景には、石破政権や各自治体が「即効性」や「分かりやすさ」を重視する姿勢がある。しかし、物価高の原因は一過性ではなく、構造的な円安や資源高、グローバル供給網の変化によるものである以上、根本的な解決には持続的な政策が求められる。

一方で、国や地方自治体はインボイス制度を導入し、零細事業者の負担を増やしている。所得税や消費税の減税は選択肢として提示されないまま、「給付でお茶を濁す」ような政策が続いている現状に、有権者は疲れと苛立ちを覚えている。

給付型支援の最大の問題は、「配る」「配られる」という構図が政治的パフォーマンスになりやすいことだ。特定の支持層に向けて「支援した感」を出すには便利だが、受け取る側にとっては恒久的な恩恵ではない。そもそも、インフレ時に給付金を繰り返すことは、逆にインフレを助長する「アクセルとブレーキの同時踏み」になりかねない。

なぜ水道料金だけ?偏った政策に潜む選挙向けの意図


減免の対象が水道に限られている理由について、大阪市は明言していない。しかし、水道は市が直接管理するインフラであるため「手っ取り早く実施できる」分野であり、政策効果をアピールしやすいという側面がある。

だが、生活コストの中で最も負担が重いのは電気・ガス、さらに食料品や教育費である。なぜ水道だけを選び、他の分野を無視するのか。このような中途半端な政策には「選挙向け」の匂いも漂う。

また、今回の減免は所得や家族構成を一切問わず一律に適用されるため、高所得者にも同じ支援が与えられる。税金の使い方としては疑問が残る。

財政調整基金を切り崩し、かつてなく膨張する自治体財政の中で、「4620円の笑顔」を買うことが本当に持続可能な政策なのか。政治の“芸”が問われている。

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2025-07-02 11:42:10(植村)

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