2025-06-25 コメント投稿する ▼
大阪市の路上喫煙禁止で混乱拡大 吸い殻ポイ捨て急増、朝倉未来氏が支援も限界
大阪市の路上喫煙禁止が裏目に?吸い殻のポイ捨て続出、朝倉未来氏も支援へ
大阪市が市内全域で路上喫煙を禁止してから5カ月。4月からは飲食店内の喫煙も厳格化され、街の景観と衛生環境の向上を狙った規制強化が行われてきた。だが現実は、むしろ混乱が拡大している。
御堂筋の歩道拡張などインフラ整備が進む一方で、若者や訪日観光客が集まるアメリカ村などの繁華街では、ポイ捨てされた吸い殻が目立ち、無法地帯の様相を呈している。市条例では公園も含めて禁煙区域だが、三角公園の愛称で知られる御津公園には喫煙所も看板もなく、空き箱や吸い殻が散乱。喫煙者が「ここならいいだろう」と集まってくる。
市民からは「ルールだけ作って後は放置か」と憤る声もある。
「マナーが悪いんじゃなくて、逃げ場がなさすぎる」
「禁止するなら、まず吸える場所をちゃんと用意しろって話」
こうした実態は、行政による“規制ありき”の対策が実効性を欠く典型だ。
現場は悲鳴、指定喫煙所の整備は追いつかず
現在、大阪市は公設・民間合わせて市内307地点に計383カ所の指定喫煙所を設置している。しかし、地価や賃料が高騰する繁華街では新たな設置が困難で、圧倒的に数が足りていない。特に人通りが集中する駅前や観光地では、目に見えて喫煙難民があふれている。
アメリカ村で活動する「アメリカ村の会」の四月朔日(わたぬき)幸平会長は「御堂筋がきれいになった分、路上喫煙者がアメ村に流れてきている。店先の灰皿が撤去され、喫煙者の居場所が消えた結果だ」と実情を語る。
民間施設内での喫煙も横行しており、ビルや商店街の管理者からは「施設の価値が下がる」と苦情が相次いでいる。市民や商店会からは、市議会議長宛てに22件の陳情書が寄せられ、公設喫煙所の増設や補助制度の見直しを求める声が続出している。
「灰皿が消えた瞬間からゴミが増えた。何がクリーンな街だよ」
「市民の協力だけに頼るのはもう限界だと思う」
朝倉未来氏が自腹で支援 だが限界も
こうした中、異色の支援を申し出たのが格闘家の朝倉未来氏だ。自身の会社を通じて、6月25日に大阪市へ新たに3カ所分の喫煙所設備を寄贈することを発表した。4月には北区に公衆喫煙所を開設しており、今回が2回目の支援となる。
朝倉氏は、市長との対談動画の中で「1カ所の運営に月50万円以上の費用がかかっている」と明かし、市に対しては「民間施設に対する賃料補助をぜひ検討してほしい」と訴えた。市側も、東京都千代田区が行っている賃料補助を例に挙げ、「今後の選択肢の一つ」として前向きな姿勢を見せた。
しかし、朝倉氏のような民間の善意だけに頼った対策には当然限界がある。
「朝倉さんの行動力はすごいけど、これは本来行政の仕事だろ」
「有名人の寄付で市政が回るなんて情けない話」
市の責任と対応、いま問われる「本気度」
大阪市では今年度、路上喫煙の実態を検証しており、夏にも中間報告が公表される予定となっている。対策の優先エリアでは、民間補助や喫煙所の一般開放を進める方針だが、公設喫煙所の新設予定は今のところない。区役所や市役所敷地内への喫煙所設置を求める声も、市議会で複数上がっている。
条例で禁止する以上、それに伴う「代替手段」の整備がなければ、制度自体の正当性も崩れかねない。市が自らの責任として喫煙所インフラを整備するかどうかが、今後の信頼回復の鍵を握る。
「禁煙都市・大阪」は絵に描いた餅で終わるのか、それとも本当に“住みやすい街”への一歩となるのか。行政の本気度が問われている。