2025-11-26 コメント投稿する ▼
大阪市特区民泊全件調査開始、迷惑民泊根絶へ約7000施設対象 苦情399件急増で監視強化
大阪市は2025年11月26日、全国の約9割が集中する「特区民泊」約7000施設を対象とした実態調査を開始した。 騒音やゴミ処理などの住民トラブルが急増していることを受け、市保健所に新設した「迷惑民泊根絶チーム」が調査を担当し、悪質事業者には認定取り消しも視野に入れた厳格な監視指導を行う方針だ。 今回の全件調査は、市保健所に新設した専従の「迷惑民泊根絶チーム」の担当者5人が実施する。
大阪市特区民泊に全件調査開始
迷惑民泊根絶へ約7000施設対象、苦情急増受け監視強化
大阪市は2025年11月26日、全国の約9割が集中する「特区民泊」約7000施設を対象とした実態調査を開始した。騒音やゴミ処理などの住民トラブルが急増していることを受け、市保健所に新設した「迷惑民泊根絶チーム」が調査を担当し、悪質事業者には認定取り消しも視野に入れた厳格な監視指導を行う方針だ。
苦情件数が3年で4倍に急増
大阪市内の特区民泊をめぐる問題は深刻化の一途をたどっている。市が2024年度に受け付けた特区民泊に関する苦情は399件に達し、最も少なかった2021年度の4倍以上に増加した。施設数も2023年3月の3272施設から2025年7月には6696施設へと倍増し、トラブルの増加に拍車をかけている。
「夜中に外国人観光客が大声で騒いでいる」
「ゴミの分別がされずに放置されている」
「管理者と連絡が取れずに困っている」
「民泊利用者の荷物が共用部に置きっぱなし」
「住宅街なのに毎日違う人が出入りして不安」
横山英幸市長は記者会見で「適正な運営をしていない事業者に徹底した指導をするためにも全件調査を行う。しっかりチェックしたい」と強調した。特に重要なのは、トラブル発生時に適切な対応体制を整えている事業者かどうかの見極めだとして、これを「最低限のライン」と位置づけた。
迷惑民泊根絶チームが専従体制で調査
今回の全件調査は、市保健所に新設した専従の「迷惑民泊根絶チーム」の担当者5人が実施する。約4000の事業者宛てに調査票を発送し、各施設の宿泊実績や苦情件数、騒音やゴミ処理に関する宿泊者への注意喚起方法、苦情受付体制、収集運搬業者名などの詳細な情報を収集する。
事業者には年内の回答を求めており、調査結果をもとに重点的な指導が必要と判断した施設には2026年度以降、順次立ち入り調査を実施する方針だ。市保健所環境衛生監視課の井沢純課長は「現状の問題点を把握する基礎資料となる。事業者には速やかに回答してほしい」と話している。
新規申請停止と既存施設の監視強化
大阪市は既に特区民泊の新規申請受理を2025年5月29日で停止する方針を決定している。受理再開の時期は明らかにしておらず、当面は新規参入を認めない厳格な姿勢を示している。
既存施設についても監視指導を大幅に強化する。運営が不適切な施設に対しては、業務停止命令や認定取り消しまでの手順を明確化し、処分要領を策定する。苦情が発生した場合の違反事業者への指導を徹底し、従わない場合は改善命令や認定取り消しなどの処分を迅速に実施する体制を整える。
これまでは処分基準に曖昧さがあったが、今回の制度見直しにより明確な処分手順と厳格な監視体制を構築することで、問題事業者への対処を強化する。
全国の94%が大阪市に集中する異常事態
特区民泊は国家戦略特別区域法に基づく制度で、宿泊施設不足を解消するため規制を緩和している。通年営業が可能で、ホテルや旅館に比べて参入ハードルが低いため、利益を上げやすい仕組みとなっている。
しかし全国7091施設の94%に当たる6696施設が大阪市に集中している異常事態となっており、近隣住民との軋轢が深刻化している。多くの施設では外国人投資家による運営が行われ、管理体制が不十分な事例が続出している。
今回の全件調査は、こうした問題の全容を把握し、適切な指導監督により地域住民との共存を図る重要な取り組みとなる。大阪市の対応は他の自治体にとっても民泊規制のモデルケースとして注目される。