2026-03-09 コメント投稿する ▼
名護市許田の野球場に米軍ヘリ不時着、渡具知市長が沖縄防衛局に抗議「看過できない」
名護市許田の野球場に米軍ヘリコプターが不時着した問題で、渡具知武豊市長は3月9日、沖縄防衛局に対し抗議しました。子どもたちが野球の練習中に予告なくヘリが降下してきた事態を重く受け止め、「市民に不安を与えたことは看過できない」と強く批判しました。玉城デニー沖縄県知事も同日、米軍と政府に直接抗議する考えを示しており、沖縄では米軍機の事故が繰り返されることへの憤りが高まっています。
少年野球の練習中に米軍ヘリが降下
3月6日午後8時20分ごろ、名護市許田の公民館に隣接する野球場に、米軍普天間飛行場所属のUH1ヘリコプター1機が不時着しました。当時、現場では少年野球チームが練習中で、約30人が緊急避難を余儀なくされました。目撃した少年は「練習していたらヘリが空の方でくるくる回って、急に降りてきた。みんなびっくりしてベンチの方に走って逃げた」と当時の恐怖を振り返りました。
米海兵隊は「訓練飛行の実施中に機内の警告表示を受けたため、予防着陸を行った」と説明しています。ヘリは午後10時40分ごろに離陸し、普天間飛行場に戻りました。沖縄防衛局によると、危険物質や武器の積載はなく、けが人も確認されていないとのことです。
「走って逃げた」
「一歩間違えば大惨事だった」
「住民は皆びっくりしている」
市長が防衛局に強く抗議
渡具知武豊名護市長は9日、沖縄防衛局の村井勝局長らを訪ね、強い口調で抗議しました。渡具知市長は「米軍ヘリが予告なしに降下してきたため、子どもたちは緊急に避難しなければならない状況に陥ったと聞いています。一歩間違えば人命に関わる大惨事になりかねないものであり、市民に不安を与えたことは看過できるものではありません」と述べました。
その上で、原因を究明し再発防止策を講じるよう米側に求めること、また緊急時に市が事前に連絡を受けられる体制を整えるよう要求しました。これを受けて村井局長は「市民の皆さまには多大なご不安ご心配をおかけした」として、米側に対し安全対策に万全を期すよう直接求める考えを示しました。
渡具知市長は不時着の一報を受けて現場に駆けつけました。野球場近くに住む渡具知市長は「市民が野球の練習をしている時に降りて来たと聞いている。ナイター照明を付けて明るかったから、それで不時着したのでは。住民は皆びっくりしている。予防のためとはいえ、あってはならないこと」と怒りを滲ませました。
「予告なしに降りてくるのは怖い」
「墜落事故を思い出した」
玉城知事も抗議の方針
玉城デニー沖縄県知事は9日朝、米軍と政府に対し原因究明と再発防止を直接口頭で申し入れる考えを示しました。また、訓練などにおいても「安全確保は最重要」とした上で、緊急着陸が必要な際の米軍の基準について、なぜ住民に危害が及ばないと判断したのか見解を求めたいとしています。
玉城知事は7日にコメントを発表し、「人命や財産に関わる重大な事故につながり、県民に大きな不安を与えるもので極めて遺憾」と批判しました。UH1多用途ヘリは2024年11月にも国頭村宜名真の国道58号沿いの草地に不時着しており、県が再発防止と安全管理の徹底を申し入れていました。玉城知事は「米軍の整備点検に強い不信感を抱かせるものだ」と指摘しています。
沖縄では米軍機の事故が繰り返されています。2016年には米軍のオスプレイが名護市安和の沿岸で大破する事故が発生し、2017年には東村高江の牧草地に大型ヘリが不時着して炎上しました。2021年6月にもUH1ヘリがうるま市津堅島の畑に不時着する事故が起きており、住民の不安は高まる一方です。