2025-11-09 コメント投稿する ▼
立花孝志容疑者を名誉毀損容疑で逮捕、死亡した竹内英明元兵庫県議への虚偽情報拡散で異例立件
さらに深刻なのは、2025年1月19日から20日にかけて、自身のSNSや埼玉県川越市議会議員補欠選挙の応援演説で「竹内元県議は昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました」「竹内元県議は、どうも明日逮捕される予定だったそうです」などと虚偽の情報を投稿し、不特定多数に閲覧させたことです。
政治活動の自由は最大限尊重
立花孝志容疑者逮捕で伊東市長選出馬に影響、死者への名誉毀損で異例の立件
2024年11月9日午前3時42分、政治団体「NHKから国民を守る党」(NHK党)の党首である立花孝志容疑者(58歳)が、名誉毀損の疑いで兵庫県警に逮捕されました。被害者は今年1月に50歳で亡くなった元兵庫県議会議員の竹内英明氏です。
死亡した人物に対する名誉毀損容疑での立件は異例とされており、SNSを通じた虚偽情報の拡散が深刻な社会問題となっている現状を浮き彫りにする事件として注目されています。
逮捕容疑の詳細と虚偽発言の内容
逮捕容疑は、2024年12月13日から14日にかけて、大阪府泉大津市長選挙の街頭演説で「何も言わずに去っていった竹内議員は、めっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」などと発言したことが挙げられています。
さらに深刻なのは、2025年1月19日から20日にかけて、自身のSNSや埼玉県川越市議会議員補欠選挙の応援演説で「竹内元県議は昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました」「竹内元県議は、どうも明日逮捕される予定だったそうです」などと虚偽の情報を投稿し、不特定多数に閲覧させたことです。
これらの発言について、兵庫県警は「事実無根」と完全に否定しており、竹内氏が実際に警察の取り調べを受けていた事実は一切ありませんでした。
「立花さんの逮捕、やっと当然の結果が出た感じ」
「虚偽情報で人を追い詰めて、それで済まされると思ってたのかな」
「政治活動の自由って言葉で何でも許されるわけじゃないよ」
「SNSでのデマ拡散が実際に人の命に関わる問題だってことが証明された」
「死者にムチを打つような行為は絶対に許せない」
竹内英明氏を追い詰めた誹謗中傷の実態
竹内英明氏は1974年4月6日生まれの50歳で、早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業後、兵庫県議会議員を5期務めた政治家でした。2024年6月から、斎藤元彦兵庫県知事のパワハラ疑惑などを調査する県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員として活動していました。
しかし、2024年11月の兵庫県知事選挙期間中、立花氏が「斎藤知事はパワハラをしていない」などの主張を展開し、百条委員会のメンバーを激しく批判したことから状況が悪化しました。立花氏は選挙戦中、奥谷委員長の自宅前で「出てこい、奥谷」と演説し、「あまり脅しても、奥谷さんが自死されても困るので」と語ったり、竹内氏についても「彼らを見かければ自分が追いかけに行く」と聴衆やネット視聴者に呼びかけたのです。
竹内氏は選挙直後の2024年11月18日に辞職願を提出し受理されました。当初「一身上の都合」とされた理由について、竹内氏は関係者に対し「立花孝志氏に自宅に行くと予告されたり、デマ情報を流されたりして生活が脅かされ、家族を守るために辞職を決断した」と説明していました。
2025年1月18日、竹内氏は姫路市内の自宅の書斎で意識のない状態で見つかり、死亡が確認されました。辞職後もインターネット上でデマを流され続け、「2024年末には深刻な状況になっていた」と関係者は語っており、死去する直前には病院にも頻繁に通っていたとされています。
政治活動の自由と表現責任の境界線
今回の逮捕について、兵庫県警は「政治活動の自由は最大限尊重されるべきと認識している」と説明した上で、竹内氏に関する立花容疑者の発言は「事実無根で真実相当性がない」とし、逃亡や罪証隠滅の恐れなどを個別具体的に判断したと逮捕の理由を説明しています。
刑法上、死者への名誉毀損が成立するのは、発信内容が明確に虚偽である場合のみです。立花氏の発言は、県警が「事実無根」と明言したにもかかわらず続けられたため、法的な処罰の対象となったのです。
この事件は、政治活動における表現の自由と、虚偽情報の拡散による人権侵害のバランスという現代社会の重要な課題を提起しています。特にSNS時代において、影響力のある人物の発言がどれほど深刻な結果をもたらし得るかを示す象徴的な事例となりました。
伊東市長選への影響と今後の見通し
立花容疑者は、静岡県伊東市で12月7日告示、14日投開票予定の市長選挙への立候補を予定していました。この選挙は、学歴詐称疑惑で失職した田久保真紀前市長の後任を選ぶものです。
田久保氏は「東洋大学法学部卒業」と経歴に記載していましたが、実際は除籍であったことが判明し、市議会から2度の不信任決議を受けて失職していました。立花氏は2024年11月10日に出馬表明の記者会見を開く予定でしたが、逮捕により実現が困難となりました。
今回の逮捕により、立花容疑者の政治活動は大きな制約を受けることになります。過去にも名誉毀損などで有罪判決を受けており、執行猶予中の身での再逮捕は、政治家としての信頼性に決定的な打撃を与える可能性が高いとみられています。