2025-11-12 コメント投稿する ▼
社民党唯一の衆院議員・新垣邦男氏の離党問題、福島瑞穂党首が19日に最終判断
社民党の福島瑞穂党首が2025年11月12日、国会内での記者会見で党唯一の衆院議員である新垣邦男副党首の離党届について、11月19日の常任幹事会で結論を出すと明言しました。 しかし、11月10日に沖縄県連が新垣氏の離党届を受理したことを受け、党本部での正式な協議が必要となっていました。
慰留継続も離党届の手続きで対立
福島氏は会見で「党唯一の衆院議員からの離党届を11月19日に取り扱いを決める。結論を出すことになると思います」と述べました。新垣氏は11月2日に沖縄県宜野湾市の事務所で記者会見し、党勢拡大への意見の相違などを理由に離党意向を表明していました。
党本部は当初、党規約に従った手続きを経ていないとして離党届を返送していました。しかし、11月10日に沖縄県連が新垣氏の離党届を受理したことを受け、党本部での正式な協議が必要となっていました。
福島氏は「沖縄県連として受理したという報告を受けました。今後は社民党全国連合に来るわけで、19日に常任幹事会がありますので、そこで議論して取り扱いを決めることになります」と今後の道筋を説明しました。
党勢拡大を巡る深刻な対立
新垣氏が離党を決断した背景には、党勢拡大への具体的な戦略を巡る党内の意見対立があります。新垣氏は福島党首に対し衆院選へのくら替えを求めましたが、受け入れられませんでした。
新垣氏は「党勢拡大を目指すとの思いでいたが、見解の相違やかみ合わないところがあった」と説明しています。衆議院で社民党単独の会派を組むには2人以上の議員が必要であり、現在新垣氏は立憲民主党会派に所属している状況です。
福島氏は記者団からの「慰留という結論もあり得るか」との質問に対し「きょうの時点では、あらゆる選択肢を否定しない」と答え、慰留する考えも示しました。
「社民党には頑張ってほしいけど、議員同士で対立している場合じゃないよ」
「唯一の衆院議員が離党するって、党として相当ヤバい状況だと思う」
「福島党首も衆院にくら替えすればよかったのに、なんで拒否したんだろう」
「党勢拡大って口で言うのは簡単だけど、実際にやるのは大変なんだな」
「社民党がなくなったら、リベラル政党がますます少なくなってしまう」
政党要件は維持も議席ゼロの危機
社民党は2025年7月の参院選で比例代表の得票率が2.06パーセントとなり、辛うじて政党要件を維持しました。ラサール石井参院議員が当選し、福島氏と合わせて参院議員2人を確保したことが党存続の命綱となっています。
現在の社民党所属国会議員は新垣氏を含めて3人です。新垣氏が離党すれば、党所属議員は福島氏とラサール石井氏の参院議員2人のみとなり、社会党時代を含めて初めて衆議院で議席ゼロという事態を迎えることになります。
公職選挙法では政党要件として「国会議員5人以上」または「直近の衆院選か参院選の得票率が2パーセント以上」のいずれかを満たす必要があります。社民党は参院選の得票率により政党要件を維持していますが、衆院での発言権を完全に失うことの政治的影響は計り知れません。
ラサール石井氏の発言も物議
党内の混乱に拍車をかけているのが、ラサール石井参院議員による離党問題への言及です。大椿裕子副党首は11月8日、SNSで福島氏の政治資金パーティーでラサール氏が離党騒動をネタにしたとの報道を引用し、「新垣議員の離党問題は笑いにする様な事ではない。私たち社民党が真剣に問われています」と警鐘を鳴らしました。
福島氏はこの指摘について「もっともっと党勢拡大をして、自治体議員や国会議員を増やすべくやっていくことと、それから社民党が出会っていない人やたくさんの人に広がっていくようにがんばっていきたい」と決意を述べる一方で、党内の危機感の共有不足が露呈した形となりました。
高市政権下での社民党の立ち位置
この離党問題は、2025年10月に発足した高市早苗政権という政治情勢の中で起きています。社民党幹事長の服部良一氏は「右翼政権と言っていい高市政権が発足し、社民党は軍拡・改憲・人権抑圧の政策に全力で立ち向かっていかなければならない局面」と位置づけており、保守政権に対抗するリベラル勢力としての結束が求められる時期に党内分裂が深刻化している状況です。
社民党は護憲・反戦・平和を掲げる政党として長い歴史を持ちますが、近年は党勢の低迷が続いています。新垣氏の離党問題は、単なる人事問題ではなく、リベラル政治勢力の再編にも影響を与える可能性があります。
11月19日の常任幹事会での判断が注目される中、福島氏は「非常に残念です。社民党にとって、沖縄の平和運動も本当に大事ですし、一緒に戦ってきました」と率直な思いを語り、最後まで慰留に努める姿勢を示しました。党の存続を左右する重要な決断の時が近づいています。