2025-05-29 コメント投稿する ▼
コメ不足の本質に迫る 田村智子氏が自民農政の三大失策を指摘し増産・補償の必要性訴え
コメ不足と価格高騰の背景にある農政の問題
深刻化するコメ不足と価格高騰の背景には、長年続いてきた政府の農政方針の歪みがある――。日本共産党の田村智子委員長は5月29日の国会内での記者会見で、自民党政権がとってきた農政の「三つの問題点」を厳しく指摘し、政策の抜本的な見直しを求めた。
田村氏はまず、農家に対して「需要減を前提にした減産」が強いられてきたことを問題視。特にコロナ禍の2021~22年には、政府が50万トンもの需要減を見込んで大規模な減産を促進。しかしその後、実際の需要は予測を上回り、供給不足によってスーパーなどからコメが姿を消す異常事態が起きた。
生産基盤の衰退と政府の無策
田村氏が次に挙げたのは、コメ農家の経営基盤が年々弱体化しているという点だ。かつて民主党政権が導入した所得補償制度では、農地10アールあたり1万5000円が支給されていたが、2014年に第2次安倍政権がこの制度を縮小。さらに2018年には完全に打ち切られ、農家にとって大きな収入源が失われた。
これにより、生産者米価はかつての60キロ2万円超から1万円台へと急落。田村氏は「政府は備蓄米の買い上げによって価格下落を抑えるべきだったが、“市場に任せる”との立場で一切介入しなかった」と政府の姿勢を批判した。こうした経過のなかで、2000年には175万戸あったコメ農家は、現在では3分の1の53万戸にまで減少し、稲作の持続可能性が危機的な状況にある。
輸入米と国内農業の矛盾
三つ目の問題として田村氏が取り上げたのは、農家に減産を迫る一方で、政府が毎年77万トンもの外国産コメ(ミニマムアクセス米)を輸入しているという現実だ。これは日本の農家に不利な価格競争をもたらし、農業全体の競争力を削ぐ要因となってきた。
「コメに限らず、農作物の自由化が国内農業の衰退を加速させたのは明白」と田村氏は述べ、こうした輸入政策の見直しも不可欠だと訴えた。
備蓄拡大と価格保障の必要性
こうした問題を踏まえ、田村氏は「大規模な増産への転換が必要」とし、「200万トンを超える備蓄を前提にした需給計画を立てるべきだ」と主張した。また、農家の規模に関係なく支援が届くような所得補償制度の再構築を訴えた上で、供給過多になった場合でも価格暴落を防ぐ仕組みとしての価格保障制度も導入すべきだと提案した。
ネットユーザーの反応
「農家の減少がこんなに深刻だったなんて、正直知らなかった」
「輸入米をやめて国内農家を守れって本当にその通り」
「所得補償がなくなったのが全ての始まりでは」
「“飯が食えない米作り”って皮肉すぎる」
「備蓄米をもっと有効に活用してほしい」
コメ農業再生への第一歩
今回の田村委員長の発言は、農業政策の根幹に踏み込むものであり、コメの安定供給だけでなく、食料安全保障や地方経済の持続性にも深く関わる重要な課題を投げかけている。減産政策の見直し、国産農業の支援強化、そして価格保障の導入が本格的に議論されるかが今後の焦点となりそうだ。