2025-10-04 コメント投稿する ▼
田村智子委員長「反動ブロックに立ち向かう新しい共同を」 高市早苗新総裁に「何ら期待できない」
田村氏は「反動ブロックの危険に立ち向かう新しい国民的・民主的共同を広げることが求められている」と述べ、野党勢力による新たな連携を呼びかけました。 田村氏は、これに対抗するための「国民的・民主的共同」の発展を強調しました。 高市氏の総裁選勝利は、自民党内で保守層が再結集した結果ともみられていますが、田村氏は「その結集が政治の閉塞を深めた」と批判しました。
自民新総裁に高市早苗氏 共産・田村委員長「反動ブロックに立ち向かう新しい共同を」
自民党総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が新総裁に選ばれたことを受け、日本共産党の田村智子委員長は10月4日、党本部で記者会見を行いました。田村氏は「反動ブロックの危険に立ち向かう新しい国民的・民主的共同を広げることが求められている」と述べ、野党勢力による新たな連携を呼びかけました。
田村氏は、自民党が党内危機を補完勢力の取り込みによって乗り切ろうとしていると指摘しました。会見では、「自民党政治が末期的な状況にあることを示した総裁選だった」とし、これまでの政治手法の限界を訴えました。
「反動ブロックの危険に立ち向かうため、新しい共同が必要です」
「暮らし、平和、人権を守る国民的運動を広げたい」
「補完勢力を取り込み延命を図る自民党政治の末期性が露呈した」
「国民の声に耳を傾けない政治を続けることは許されない」
「民主主義を守るための連帯をさらに強める」
この発言は、高市政権が発足する中で、共産党が「新しい政治的共同体の形成」に動き出す姿勢を明確にしたものです。
補完勢力との距離と危機感
田村氏は会見で、「社会保障の削減、大軍拡、憲法と民主主義の蹂躙、ジェンダー平等への逆流」といった政策を挙げ、「補完勢力を取り込んだ延命的な自民党政治が深刻な逆行をもたらす」と警鐘を鳴らしました。
この「反動ブロック」という言葉は、共産党が近年強調してきた概念で、保守政党とそれを支える経済・メディア勢力などが結びついた政治構造を指します。田村氏は、これに対抗するための「国民的・民主的共同」の発展を強調しました。
高市氏の総裁選勝利は、自民党内で保守層が再結集した結果ともみられていますが、田村氏は「その結集が政治の閉塞を深めた」と批判しました。特に防衛費拡大や憲法改正に前向きな姿勢を示した高市氏の政策を、「日本の平和主義を危うくする動き」と位置づけました。
高市政権への不信と課題
田村氏は、高市新総裁の政策姿勢について「何ら期待することはない」と明言しました。
会見では、高市氏が総裁選で「裏金議員の復権」を容認するような発言をした点や、「消費税減税に一言も触れなかった」ことを批判しました。
田村氏は「アベノミクス継承、大軍拡、日米同盟の強化を訴える姿勢は、国民生活の破壊につながる」と述べ、経済・外交両面での政策転換を求めました。
また、女性総裁誕生についても「自民党そのものがジェンダー平等の妨害勢力であり、高市氏自身がその代表的存在」と厳しく言及しました。
一方で、野党側にも課題はあります。立憲民主党や国民民主党との連携が停滞し、共産党自身も支持率の伸び悩みに直面しています。田村氏の呼びかける「新しい共同」は、理念を超えた実務的な政策連携が実現できるかが鍵となります。
野党再編への波紋
今回の発言は、単なる自民党批判にとどまりません。共産党が今後、どのような枠組みで野党共闘を再構築するのか、その布石とも見られています。
特に、反自民・反保守の軸を超え、暮らしや人権を共通テーマに据えることで、無党派層や若年層への訴求を強める狙いがあります。
共産党の主張が今後どこまで国民的支持を得られるかは未知数ですが、「反動ブロック」という危機感を共有する層の拡大を目指す動きは鮮明です。高市政権発足直後から、国内の政治構図は再び「改革と反発」の二極に分かれつつあります。
政治的対立の新局面
高市総裁の誕生は、自民党の保守路線を鮮明にした一方で、対抗軸を模索する野党にとって新たな局面をもたらしました。
田村氏の発言は、単なる党派的批判ではなく、「政治の暴走を止める仕組みを社会全体で作る」という理念を打ち出しています。
ただし、理念だけでは世論を動かすことは難しく、具体的な経済政策や外交ビジョンを示さなければ、国民の共感を得ることはできません。
政治不信が広がる中で、どの政党が「現実的な代案」を提示できるかが次の焦点になります。