2026-02-27 コメント投稿する ▼
琵琶湖に無許可で100m盛り土、行政指導無視し造成続行で告発
滋賀県は2026年2月27日、大津市小野の琵琶湖で知事の許可を受けずに湖底を掘削し突堤状の盛り土を造成したとして、法人1社と個人2人を河川法違反などの疑いで滋賀県警大津北署に告発しました。行政指導を無視して造成を続けた極めて悪質な環境破壊です。
指導無視して造成続行
県河港管理室によると、2025年11月21日、県職員が別件で現地を訪問した際に無許可造成の突堤を1本見つけ、関係者に原状回復などを指導しました。しかし12月になっても造成が進んでいたため、指導に従わず無許可で琵琶湖内で土地を掘削、盛り土し、形状を変更したのは悪質だとして告発に踏み切りました。
県が2025年12月8日に現場を測量したところ、突堤は長さ約100メートル・最大幅約10メートルと、長さ約64メートル・最大幅約6メートルの2本になっていました。盛り土部分の面積は計約1015平方メートルです。
「琵琶湖を勝手に埋め立てるとは言語道断だ」
「行政指導を無視した確信犯的行為」
「環境破壊の悪質性は重大だ」
「近畿の水がめを汚染する暴挙」
「厳罰で再発防止を徹底すべき」
突堤の間の湖水の色が変わるほど掘られましたが、どの程度掘削したかは不明です。現在は雨や水流などの影響で半分程度になっているといいます。
琵琶湖は近畿の水がめ
琵琶湖は日本最大の湖で、近畿1400万人の水がめです。滋賀県は琵琶湖の埋め立てを一切許可しておらず、無許可で大規模な盛り土が造られる事態は極めて異例です。
告発を受けた2人は行為を認め、原状回復する意向を示していますが、現時点で造成の目的は不明です。盛り土は湖岸から並行して沖合に延びるように造成されていました。近くの湖底を掘削し、その土砂を用いたとみられます。
県によると、2人とも湖岸近くに住む関係者で、1法人と個人2人が一体となって造成作業を行っていた可能性があります。滋賀県警大津北署は27日付で告発を受理しました。
過去にも無許可造成の事例
琵琶湖での無許可造成は今回が初めてではありません。2024年7月、滋賀県高島市安曇川町沖の琵琶湖に勝手に盛り土をして通路を造ったとして、県は行為者を県警高島署に告発しています。
この事例では、幅約3メートル、長さ約70メートルの通路が無許可で造られていました。現場は琵琶湖北西部の湖岸沿いにある県立公園施設「びわ湖こどもの国」から安曇川を挟んだ河口付近で、湿地帯に州を渡すように道が造られていました。
3月15日に県高島土木事務所に「湖岸に通路ができている」と匿名で通報があり、職員が発見しました。行為者本人から「許可を取らないといけないのは知っていたけど、自分がやった」という趣旨の電話があり、県は原状回復を指導し告発しました。
環境保全の観点から厳罰を
琵琶湖は単なる湖ではありません。近畿1400万人の生活用水、工業用水、農業用水の源であり、固有種を含む多様な生物が生息する貴重な生態系です。ラムサール条約にも登録されている国際的に重要な湿地です。
無許可で湖底を掘削し盛り土をする行為は、水質汚染、生態系破壊、景観破壊など多面的な環境破壊をもたらします。特に今回は行政指導を受けながら造成を続けた悪質性が際立ちます。
滋賀県は琵琶湖の環境保全に長年取り組んできました。1979年には全国に先駆けて琵琶湖条例(滋賀県琵琶湖の保全及び再生に関する条例)を制定し、リンを含む合成洗剤の使用や販売を禁止しました。県民や事業者と一体となって琵琶湖の水質改善に努めてきた歴史があります。
そうした努力を無にする今回の無許可造成は、環境保全の意識が欠如した暴挙と言わざるを得ません。河川法違反は3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
今回の告発を契機に、琵琶湖の無許可造成に対する取り締まりを強化し、厳罰によって再発防止を徹底すべきです。琵琶湖は滋賀県民だけでなく、近畿圏全体の貴重な財産であることを、すべての関係者が認識する必要があります。
県は原状回復を求めていますが、一度破壊された環境を元に戻すのは容易ではありません。掘削された湖底の生態系は回復に長い時間を要するでしょう。環境破壊のツケは将来世代に回されることを忘れてはなりません。