2025-06-23 コメント投稿する ▼
石原伸晃氏が政界引退を正式表明「もう選挙は出ません」父・慎太郎氏の路線継がず静かな幕引き
石原伸晃氏が政界引退を正式表明 「もう選挙は出ません」36年の政治人生に幕
自民党東京都連の最高顧問であり、かつて国交相や自民党幹事長など要職を歴任した石原伸晃氏(68)が、6月23日放送のBS日テレ『深層NEWS』に出演し、今夏の参院選に出馬せず、政界を引退することを明言した。
石原氏は、東京都選挙区からの参院選出馬を模索していたが、「他の候補者の擁立が決まった」とし、出馬を断念。「邪魔をするのも大人げない」と語り、「政治活動を36年間続けてきたが、いい潮時だと思った。一線から退いて、外から政治を見ていこうと決めた」と話した。
「“邪魔になる”って言えるのが少し潔い。ここ数年の落ち着きぶりは逆に好感持てたかも」
「都連で影響力を持ってたのに、あっさり退くとは意外だった」
右松健太キャスターから「政界引退か」との問いに、「引退というより、もう選挙には出ない」と明言。国政への思いや国際情勢への関心は「変わっていない」としつつも、「政治家としての選挙活動には終止符を打つ」とはっきりと語った。
「都知事選も考えていません」 父・石原慎太郎氏の背中とは別の道
番組内では、日本テレビの伊佐治健解説委員長から「お父様のように、都知事選への出馬は?」と問われた際にも、「若い頃には誘われたが、地方自治よりもこの国のかたちをずっと模索してきた。考えていません」と否定。父・石原慎太郎元都知事のような“地方の顔”としての再登板の可能性も消えた。
石原氏は1990年に衆院初当選。岸田政権では内閣官房参与を務めたが、2021年の衆院選では地元・東京8区で立憲民主党の候補に敗北し、比例復活もならなかった。2023年には衆院選不出馬を表明し、「2年後の参院選に再挑戦したい」と語っていたものの、今回の決断で完全に政治の第一線から退く形となる。
「“石原家の政治”がついに途絶える日が来るのか」
「親の七光りを超えることはなかったけど、なんだかんだよく残った方だと思う」
名門・石原家の“終章”? 「静かな引き際」に注目
石原伸晃氏といえば、父・慎太郎氏の長男として「世襲政治家」の典型と見られてきた存在だった。一方で、テレビ番組などにも多数出演し、ソフトな語り口と物腰の柔らかさで一定の人気を保ち続けた。2001年には経済財政担当相として小泉内閣に参加、2003年には党政調会長、2010年代には国交相、幹事長と重職を担った。
しかし、2012年の自民党総裁選では地方票で苦戦し安倍晋三氏に敗北。その後も「世代交代」の波に飲まれ、徐々に党内での存在感を失った。とくに東京8区での敗北以降は、“次”を模索しながらも、実質的には後進への道を譲る姿勢をにじませていた。
「こうやって潔く身を引く政治家、少ない。評価してもいいと思う」
「やっぱり最後は“お坊ちゃん政治”の象徴で終わった感じはあるな」
国政と向き合い続けた36年 「意見は外からでも発信したい」
番組では「引退」という言葉を使いながらも、「まだ元気なので、国の未来に対して意見は述べていきたい」と語った石原氏。今後は政治活動ではなく、評論・提言の立場から政治に関わっていく可能性が高い。
かつては「ポスト小泉」「次の総理候補」と目された男が、静かに政治の表舞台を降りる。世襲議員批判が高まる中、その最前列に立ってきた一人の政治家の“静かな幕引き”は、多くの有権者に一つの時代の終わりを印象づけるものとなった。