2025-04-15 コメント投稿する ▼
核抑止力こそ国際平和のカギ?田母神俊雄氏が米・イラン核協議に見解
「トランプ政権がイランとの核協議に乗り出した。目的はイランの核武装封じである。表向きの理由は国際社会の安定であるが、自らは核兵器を持ち、これ以上核武装国を増やさないため。つまり核武装国の国際政治上の有利な地位を維持するためだ」
田母神氏の見方では、米国が「平和」や「安定」といった建前を掲げながらも、実際には自国の核兵器保有によって得られる国際的優位性を手放さないために、他国の核開発を阻止しているという構図があるという。
特に彼が強調するのは、「核兵器こそが究極の戦争抑止力」であり、核を持たない国は、持っている国と対等な外交交渉を行うことすらできないという現実だ。
「核武装しなければ、核武装国と対等な話し合いはできない。そして、核武装国同士の本格的な戦争は起きない。共倒れになるからだ」
つまり、核兵器を持つ国はお互いに「攻めれば自分も滅びる」ことを理解しているため、結果的に戦争を避ける抑止力として機能しているというのが田母神氏の主張だ。
この考え方は、冷戦時代の「相互確証破壊(MAD)」に通じるものがある。米ソが互いの核兵器を理由に全面戦争を回避してきた歴史が、その理論の実例とも言えるだろう。
現在、トランプ前大統領が主導する米国は、イランとの協議に再び乗り出している。ロイターなどの報道によれば、オマーンで行われた非公式会談の内容は非公開ながら、再度の対話の機会が予定されており、一定の進展が見られている。しかし、トランプ氏は「イランが核兵器の夢を諦めなければ厳しい対応を取る」と発言するなど、依然として強硬な姿勢を崩していない。
こうした国際交渉の裏で、田母神氏のように核保有を前提とした抑止力の重要性を説く声も根強い。だが一方で、日本は非核三原則を掲げ、「核を持たず、作らず、持ち込ませず」という立場を長年貫いてきた。この日本において、田母神氏のような意見は異端とも受け取られかねない。
しかし現実には、北朝鮮の核開発、中国の軍拡、そしてロシアの戦略核の存在など、抑止力としての核の現実的な役割が再び注目されていることも否定できない。
「核廃絶」と「核抑止」のはざまで、国際社会は今も揺れている。そして、日本国内でも、田母神氏のように「抑止力としての核保有は必要だ」と主張する声が静かに、しかし確実に存在感を持ち始めている。