2025-06-19 コメント投稿する ▼
群馬県議の逮捕に知事も驚愕 桐生市新庁舎入札不正の波紋、政治不信拡大へ
群馬県議逮捕に知事も衝撃 会見中に速報、山本一太氏「信じられない」
「えっ?」「本当?」「なんで?」――。19日に開かれた群馬県の定例記者会見で、突如伝えられた県議逮捕の一報に、山本一太知事の表情が強張った。
逮捕されたのは、群馬県桐生市役所の新庁舎建設工事に関連し、公競売入札妨害の疑いが持たれている自民党所属の県議・相沢崇文容疑者(49)。桐生市議を経て、平成31年に県議に初当選した2期目の現職議員だ。今回の逮捕は、公共入札制度の根幹を揺るがす不正の疑いとして、県政に衝撃を与えている。
記者会見中の通告に絶句 「信義の熱い人、信じられない」
この日の記者会見では、進行中の県政課題を淡々と説明していた山本知事に、記者から突然「相沢県議が逮捕された」との情報が飛び込んだ。
「えっ?」「ホントなの?」「なんで?」と即座に反応した知事は、明らかに動揺を隠せない様子で、「私の知る限り、相沢さんは信義の熱い熱血漢。ちょっと信じられない。今、初めて聞いたので、コメントしようがない」と言葉を選びながら答えた。
相沢容疑者は、地元・桐生市で支持を集める中堅議員として活動し、新庁舎完成にも積極的に関与していたとされる。だがその裏で、入札制度に介入し、自身に関係のある業者が有利になるよう「技術評価点」を操作させた疑いが持たれており、事件は市政だけでなく県政にも波紋を広げている。
「山本知事の驚き方が全てを物語ってる。仲間内でも寝耳に水だったのか」
「“信義の人”が入札不正?どこまでが仮面だったんだ」
「知事は冷静そうに見えて、内心かなり怒ってるように見えた」
相次ぐ公共事業の不正、問われる地方の統治構造
群馬県内では、今年5月にも藤岡市の公共工事を巡って、官製談合防止法違反容疑で副市長らが逮捕されたばかり。今回の事件は、それに続く形での不祥事となり、県政全体への信頼が揺らいでいる。
山本知事も記者団に対し、「逮捕が本当だとしたら事件が続発しているわけで、これは地方政治に残った利権構造というものがあるということで、県にとってもひとごとではない」「改めてえりを正さないといけない」と述べた。
この発言は、単なる“遺憾”を超えた危機意識の表れであり、県政トップとしての責任を背負う覚悟がにじんだ瞬間でもあった。だが一方で、制度的にこうした事件を防ぎきれなかった責任も問われることになる。
「“地方の闇”ってこういうこと。県レベルで浄化しなきゃ何も変わらない」
「知事の言葉は真っ当。でもそれだけじゃ足りない。構造改革を」
「国のスパイ防止法の議論より、こういう地場の癒着の方がリアルに深刻かも」
自民党県連もコメント「驚きと謝罪」 党内のガバナンスが問われる
自民党群馬県連も同日、幹事長の金井康夫氏を通じてコメントを発表した。「相沢議員の逮捕を知り驚いております。県民の皆さまにはご心配をお掛けし誠に申し訳ございません」と述べ、現時点では報道以外の情報を把握していないとした。
だが、地元選出の県議による不正事件は、単なる個人の問題では済まされない。とりわけ公共工事に絡んだ事件は、地域の業界、行政、そして政治家の三者が結託する「利権構造」の象徴であり、党内での監視体制やガバナンスにも疑問符がつく。
今後、県議会自体にも説明責任が課されるのは避けられない。県民の信頼を取り戻すためには、「知らなかった」「個人の問題」と切り捨てるだけでは足りない。政治家自身が自らの襟を正す覚悟と、制度改革への取り組みが今こそ求められている。