2025-11-28 コメント投稿する ▼
山本一太知事「温泉文化」ユネスコ候補選定に感慨「ついにここまで来た」
「温泉文化」が2025年11月28日、国の文化審議会でユネスコ無形文化遺産登録を目指す国内候補に選ばれました。
「温泉文化」が2025年11月28日、国の文化審議会でユネスコ無形文化遺産登録を目指す国内候補に選ばれました。この決定を受けて、運動の中心的役割を担ってきた群馬県の山本一太知事が同日夕に記者会見を開き、「地方から声を上げ、ついにここまで来た。これほどうれしいことはない」と感慨深く語りました。温泉県群馬から始まった取り組みが全国に波及し、国の政策として実現したことを「群馬モデル」と評価しています。
文化審議会が国内候補に選定、2030年審査へ
文化審議会(島谷弘幸会長)は28日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への新規提案候補に「神楽」と「温泉文化」を選定したと発表しました。ユネスコによる審査の優先順位を神楽、温泉文化の順とし、神楽は28年、温泉文化は30年の審査となる見通しです。
温泉文化は温泉に漬かって心と体を癒やす日本人の社会的慣習を指し、関連する祭りや神事が各地に根付くなどしている文化として定義されています。2026年3月末までにユネスコへ提案書を提出し、2030年の登録を目指すことになります。
「やっと国内候補に決まった、本当にうれしい」
「温泉文化を世界に発信できるチャンスだよね」
「群馬から始まった活動がここまで来るとは」
「ONSENが世界共通語になる日が近づいた」
「地方からの声が国を動かした素晴らしい例だ」
群馬発の運動、平成30年から本格始動
県によると、平成30年6月に32人の群馬県議が議員連盟を設立し、12月に県内関係団体が登録を実現する会を立ち上げたのが最初の動きでした。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で活動は一時停滞しました。
転機となったのは2022年11月です。コロナ禍でとん挫したものの令和4年11月、推進議員連盟と知事の会ができて動き出したのです。この時期に、17道県により「『温泉文化』ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会」が設立。群馬県は、山本知事が事務局長として参画し、本格的な全国運動がスタートしました。
現在では47道府県参画するまでに拡大し、自民党及び公明党の国会議員により「『温泉文化』ユネスコ無形文化遺産登録推進議員連盟」が設立され、現在109名の議員が参加しています。
文科相経験者の馳知事と二人三脚で奔走
山本知事は記者会見で、文科相経験者の馳浩・石川県知事とともに奔走したことを明かしました。「関係先や国会議員、与党幹部のみなさんの間を回り続け『やり過ぎだ』と言われもしたが、むだではなかった」と振り返っています。
最も困難だったのは温泉文化の定義づけでした。「元文化庁長官の青柳(正規)さんはじめ有識者のお知恵を借り、文化庁のみなさんにも汗をかいていただいた」結果、現在では「入浴を通じて心を癒やし、温泉の効能で体を癒やす日本人の社会的慣習」との定義もできて、今年7月には国民会議も設立された状況です。
地方発信の「群馬モデル」として評価
山本知事は今回の成果について、特筆すべき意義があると強調しました。温泉県の群馬から始まった動きを「地方から声を上げ中央政府を動かし、世界に広がっていく新しい流れだ」と強調。「これも群馬モデル」と胸を張ったのです。
この「群馬モデル」とは、地方自治体が主導して全国的な運動を展開し、最終的に国の政策として実現させる手法を指しています。群馬県は過去にも「富岡製糸場と絹産業遺産群」(世界文化遺産)、「上野三碑」(世界の記憶)のユネスコ遺産登録を実現しており、今回の温泉文化が登録されれば、ユネスコ三大遺産をすべて保有する都道府県となります。
世界共通語「ONSEN」を目指す取り組み
温泉文化の無形文化遺産登録は、単なる文化保護にとどまらない意味があります。日本固有の「温泉文化」を世界に発信し、「ONSEN」を世界共通語として確立することで、日本の観光立国戦略の重要な柱とすることが期待されています。
当協会では、日本の固有の文化である「温泉文化」の保護・活用・発信を図り、次代へとつないでいくため、「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産の2028年最短での登録を指し、活動しておりますと関係団体は表明していましたが、今回の国内候補選定により、2030年審査での登録実現に向けて大きく前進しました。
山本知事の「ついにここまで来た」という言葉には、約7年間にわたる粘り強い取り組みがようやく実を結んだという深い感慨が込められています。群馬県という地方自治体から発信された運動が、全国47都道府県を巻き込み、国の文化政策として結実した意義は極めて大きいといえるでしょう。