2025-03-03 コメント投稿する ▼
石垣市議会、県の同意見送りを批判 「政治が行政判断を歪めている」と非難
■意見書の主な内容
- 県の決定プロセスの不透明さと政治的思惑の影響を指摘:
県が新石垣空港など3施設の指定に同意する方向で調整していたにもかかわらず、県議会与党の反対で同意に至らなかったことに対し、「県の決定プロセスの不透明さを露呈し、政治的な思惑が行政判断を歪めている」と批判した。
- 住民の安全と生活の軽視を懸念:
知事が地域の住民の安全と生活を軽視し、政局に迎合した結果であると指摘し、県の場当たり的な対応と優柔不断な判断によって、地域の未来が犠牲にされようとしていると疑問視した。
- インフラ整備と地域経済への期待:
新石垣空港が特定利用空港に指定されれば、国の予算を活用したインフラ整備が可能となり、駐機場の拡張、滑走路の改良、ターミナル施設の拡充で雇用創出や関連産業の発展にも寄与すると期待を示した。
■野党議員の反対意見
- 有事の攻撃リスクを懸念:
砥板芳行氏は「本土の特定利用空港と、台湾有事の最前線の特定利用空港は全く意味合いが違う。有事の攻撃リスクを考えて判断すべきだ」と強調した。
- 米軍・自衛隊の利用可能性への危惧:
長浜信夫氏は、特定利用港湾に指定された石垣港に米艦船が入港したことを挙げ、「米軍と自衛隊の運用に利用される可能性が危惧される。整備の財源ほしさに住民の不安や懸念を置き去りにしてはいけない」と訴えた。
- 軍事利用促進の懸念:
宮良操氏は「指定は軍事利用を促進する側面がぬぐえない」と述べた。
- 住民生活を人質にした予算獲得への反対:
花谷史郎氏は「住民生活を人質に取って予算をつけるロジックに乗ってはいけない」と指摘した。
- 中央の意向への疑念:
内原英聡氏は「市がここまで強く指定を働きかけるのは、中央の意向が働いているからではないか」と述べた。
■与党議員の賛成意見
- 軍事化の懸念払拭:
友寄永三氏は「自衛隊が共用している空港は結構あり、軍事化の懸念は払拭される」と述べた。
- 住民の安心安全向上:
高良宗矩氏は「指定で住民の安心安全がより高まる」と主張した。
- 予算獲得の容易化:
仲間均氏は「指定で予算が付きやすくなる」と述べた。
■採決結果
採決では与党と中立の11人が賛成、野党と中立の10人が反対し、意見書は可決された。
政府が進める「特定利用空港・港湾」指定の取り組みを巡り、沖縄県は新石垣空港、宮古空港、中城湾港の3カ所に限り指定に同意する方向で検討していた。
しかし、県議会与党からの反対意見や、軍事利用への懸念が根強く、同意に至らなかった。石垣市議会は2024年9月にも同様の意見書を可決しており、今回で2回目となる。