熊谷千葉県知事が鴨川メガソーラーを初視察 無許可伐採で工事停止も開発規模の大きさに懸念表明

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熊谷千葉県知事が鴨川メガソーラーを初視察 無許可伐採で工事停止も開発規模の大きさに懸念表明

千葉県の熊谷俊人知事が2025年11月5日、地域住民の強い反対を受けている鴨川市の大規模太陽光発電施設(メガソーラー)開発区域を初めてヘリコプターで視察しました。 鴨川メガソーラー計画を巡っては、事業者側が市民向けの十分な説明を行っていないことも大きな問題となっています。 これほど多数の行政指導が必要になっていることは、事業者の計画や施工管理に深刻な問題があることを示しています。

千葉県の熊谷俊人知事が2025年11月5日、地域住民の強い反対を受けている鴨川市の大規模太陽光発電施設(メガソーラー)開発区域を初めてヘリコプターで視察しました。146ヘクタールという東京ドーム30個分に相当する広大な山林で36万5000本の樹木伐採が進む現場を約20分間確認し、「規模が非常に大きく、高低差のある中での開発行為だと再確認した」と述べました。

この視察は、事業者による無許可森林伐採が発覚し、県が行政指導を実施した直後に行われたものです。佐々木久之鴨川市長も同行し、「工事が進んでいるという印象を受けた。険しい山なので安全性がどうなのかという不安が深まった」と懸念を示しました。

無許可伐採発覚で工事一時停止に


鴨川メガソーラー問題は2025年10月30日に重大な転機を迎えました。事業者のAS鴨川ソーラーパワーが、開発許可外の区域で山林1.5ヘクタールを「誤伐採」したとして、千葉県から工事の一時中止と山林の復旧を求める行政指導を受けたのです。

県によると、森林法に基づく林地開発において環境保全や災害防止の観点から保存が求められる「残置森林」の一部で伐採が確認されました。10月28日の県による視察の際、木が根元から切られている状況が発見され、敷地内の少なくとも2か所で計約1.5ヘクタールの無許可伐採が判明しました。

県は事業者に対し、まず11月6日をめどに土砂流出防止などの対策工事手順書の提出を求めています。また、伐採された森林の再生と工事の中止を命じており、専門家からの技術的助言を受けるための有識者会議を早期に設置する方針を明らかにしました。

「こんな大規模な開発は初めて見た、自然破壊がひどすぎる」
「許可外の伐採まで発覚して事業者の信頼性に疑問」
「災害が起きてからでは遅い、今すぐ工事を中止すべき」
「県の監督体制にも問題があったのではないか」
「地元住民の声を無視し続ける事業者の姿勢が問題だ」

熊谷知事は30日の定例記者会見で「許可条件に違反する伐採が見つかった」と事業者の違法行為を厳しく批判し、現地調査の回数を増やすなどモニタリングを強化する考えを示しました。

住民600人が参加する説明会で批判殺到


鴨川メガソーラー計画を巡っては、事業者側が市民向けの十分な説明を行っていないことも大きな問題となっています。11月4日には住民有志が「説明会を開こう!鴨川市民有志の会」を結成し、公開情報を基に計画内容を説明する集会を開催しました。600人以上が参加し、この問題への関心の高さを示しました。

代表の大久保具美氏は「日本最大級のメガソーラー建設が計画され、市民ほとんどが知らない間に森林伐採が進んでいる」と訴えました。事業者が鴨川市の求める「広い範囲での説明会」開催に応じていないため、住民側が独自に情報収集と説明の場を設けざるを得ない状況となっています。

土砂災害や環境破壊への懸念から反対運動を進める「鴨川の山と川と海を守る会」の勝又國江代表は、「私たちが不安に思っている質問を受けてほしい、それに答えてほしいということを再三言ってきている。とにかく事業者から説明を聞きたい」と事業者の説明責任を強く求めています。

事業者は2019年に千葉県の林地開発許可を条件付きで取得し、鴨川市とは5つの協定を結んでいました。施工管理を行う市内事業者名の開示、水害や周辺河川への影響対策の具体的説明、市民参加型説明会の開催などが含まれていましたが、市はこれらが十分に果たされていないと判断しています。

県が異例の監視体制で58件の行政指導


千葉県はこの事業に対して異例の監視体制を敷いています。県森林課が月1回、県林業事務所が週1回という頻度で現地調査を実施し、これまでに事業者との間で34回の打ち合わせを行い、合計58件もの行政指導を実施したことを明らかにしています。

指導内容には調整池をはじめとする計画の見直し、具体的な施工手順の提出、仮設防災施設の設置、現地の杭設置状況の確認など多岐にわたります。これほど多数の行政指導が必要になっていることは、事業者の計画や施工管理に深刻な問題があることを示しています。

地盤の専門家である芝浦工業大学工学部の稲積真哉教授は、現場の危険性を次のように指摘しています。「伐採された樹木が谷間の底に置かれている状態で、谷の底にたまった樹木によって降った雨が山の中に浸透せず、地表面を流れていってしまう。このような形で伐採林が放置されているのは非常に危険」

県は事業者に対し樹木の「仮置き場」を造るよう行政指導し、事業者は現在、保管する仮置き場を造成中です。しかし、設置されるまでの間の仮設柵設置なども含め、災害防止対策が後手に回っている状況が続いています。

文化財保護の観点からも重大な懸念


この開発計画については、環境破壊や災害リスクに加えて、文化財保護の観点からも重大な問題が指摘されています。日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は2025年7月、文化庁長官や熊谷知事らに対して文化財保存を求める要望書を提出しました。

開発予定地である田原の峰山には、清澄修験との関連が推察される廃寺跡、馬頭観音や大日如来などの石造物、太田学窯跡、金山塚、金塚古墳など、多彩な歴史文化遺産が存在していると指摘されています。

同協会は「これら文化財への具体的保存対策が講じられないまま、今日の緊急の事態に至っている」として、建設用地内および周辺の文化財分布調査の実施、文化財保存対策計画の作成、埋蔵文化財の適切な事前調査の実施などを求めています。

しかし、メガソーラー建設工事の計画が明らかになった2018年以降、これらの文化財への保存対策は十分に講じられておらず、貴重な歴史的遺産が失われる危険性が高まっています。

今回の熊谷知事による上空視察は、鴨川メガソーラー問題の深刻さを改めて浮き彫りにしました。無許可伐採の発覚、住民の強い反対、専門家による災害リスクの指摘、文化財破壊への懸念など、多角的な問題が山積しています。

知事は視察後、「急峻な地形なので土砂流出の問題や周辺の河川への影響などに十分な対策が講じられることが重要だ」と述べ、安全対策の重要性を強調しました。県は今後、有識者会議の設置や現地調査の強化を通じて、より厳格な監督体制を築く方針です。

しかし、既に36万5000本の樹木伐採が進行し、山肌が大規模に露出している現状では、環境への不可逆的な影響は避けられません。地域住民が求めているのは単なる安全対策の強化ではなく、計画そのものの見直しや中止です。

今後の県の対応と事業者の姿勢が、この問題の行方を左右することになるでしょう。国民のための持続可能な再生可能エネルギー政策を実現するためには、地域住民の理解と環境保護を両立させる慎重なアプローチが不可欠です。

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2025-11-05 17:27:18(くじら)

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