2026-03-10 コメント投稿する ▼
NISA貧乏に片山さつき財務大臣がショック積み立て目的化は意図せず金融教育必要と答弁
片山さつき財務大臣は「ショックを受けた」と述べ、積み立てが目的化することは制度の本来の意図ではないと強調しました。 田中議員は「漠然とした将来不安を抱えて、20代、30代以下は75パーセントが公的年金には期待していない」と述べ、若者が「とりあえずNISA」「とりあえずインデックスだ」と不安に駆られて投資に走っている現状を説明しました。
NISA貧乏とは、新NISA制度を利用した投資を優先しすぎるあまり、生活費を切り詰めて日常生活が圧迫されている状態を指します。主に20代から30代の若者に見られる現象で、友人との交際や趣味を犠牲にし、精神的・経済的な疲弊を伴うケースが報告されています。
政府の想定を超えた投資熱の裏側
田中健議員は「20代は投資額をすごく増やしているが、消費は伸び悩んでいる」と指摘しました。調査によれば、20代の月々の平均投資額は2023年に2万3589円でしたが、2025年には2万9678円と6000円以上増加しました。
その一方で、月のお小遣いは3万7096円から3万2159円に減り、趣味や遊びへの支出は1万9027円から1万6596円まで減少しています。若者は投資を増やす代わりに、自分の生活を削っているのです。
田中議員は「漠然とした将来不安を抱えて、20代、30代以下は75パーセントが公的年金には期待していない」と述べ、若者が「とりあえずNISA」「とりあえずインデックスだ」と不安に駆られて投資に走っている現状を説明しました。以前は老後資金として1000万円必要と言われていましたが、今は2000万円、3000万円とも言われるようになり、積み立て自体が目的になってしまっていると指摘しました。
「NISA枠埋めないと損する気がして飲み会も断ってる」
「将来不安すぎて今を楽しめない自分への投資も大事なのに」
「年金期待できないから必死でNISA積んでるけど生活苦しい」
「政府が不安煽るから若者が今を犠牲にしてる」
「投資も大事だけど20代は経験にお金使う時期でしょ」
若者の悲痛な声が聞こえてきます。本来、将来のための資産形成であるはずのNISAが、現在の生活を犠牲にする原因になっているのです。
片山大臣の驚きと金融教育の必要性
片山さつき財務大臣は田中議員の質問を受けて「記事を見て、ちょっとショックを受けたところです」と率直に認めました。そして「ライフプランニングをきちっと正しく公平な目で見て、客観的に『いいな』というものを受けていただくことが非常に重要です」と述べました。
さらに片山大臣は「我々は過去にもお叱りをいただいたことがありますので、その時点でいくらいるかを一切確定的に申し上げたことはありません」と弁明しました。これは2019年に金融庁が公表した報告書で「老後資金2000万円必要」と記載され、大きな批判を浴びたことを指しています。
片山大臣は「最適な資産運用だけじゃなく、最適な自分の毎年毎月のインカムの使い方も、この金融教育の中には当然入ってくる部分でなくてはいけない」と述べ、積み立て自体の目的化は全く意図していないと明言しました。そして「もっと中庸で、かつ広範でかつ客観的な金融経済教育を全員にくまなく広めなくてはいけない」と続けました。
しかし、この答弁には大きな矛盾があります。政府は「資産運用立国」を掲げ、新NISAの口座数を2025年12月末時点で約2826万口座まで増やし、2027年末までに3400万口座という目標を掲げています。累計買い付け額は約71兆円に達し、政府の想定を大きく上回るペースで増加しています。
政府が投資を推進しておきながら、若者が生活を犠牲にして投資に走ると「ショックを受けた」では済まされません。これは政策の失敗です。
根本的な問題は将来不安
NISA貧乏が生まれた根本的な原因は、若者の将来不安です。公的年金制度への不信、物価高騰、賃金の伸び悩み、社会保険料の負担増加など、若者を取り巻く環境は厳しさを増しています。
国税庁の2023年分民間給与実態統計調査では、25から29歳の平均給与は約394万円です。この水準の平均手取り額は概算で約315万円程度とされ、決して余裕のある金額ではありません。
さらに財務省資料では、勤労者世帯の税・社会保険料負担率は平成以降の35年間で5ポイント強上昇し、その増加の大半は社会保険料負担によるものとされています。2026年4月からは「子ども・子育て支援金制度」が始まり、会社員や公務員の場合、2026年度は平均月額500円程度の負担増となります。
若者は手取り収入が減る中で、将来不安から投資を優先せざるを得ない状況に追い込まれているのです。これは「NISA貧乏」ではなく「社会保険料貧乏」「税金貧乏」だという指摘もあります。
政府が本当にすべきことは、金融教育の充実ではありません。若者が今を壊さず、将来にも備えられるだけの可処分所得、賃金、社会保障の見通しを作ることです。
投資を推進する前に、若者が安心して使い、安心して貯められる社会を作るべきです。減税を実施し、手取り収入を増やし、社会保障制度を立て直す。これこそが政治の責任です。
片山大臣は金融教育の必要性を訴えましたが、若者に必要なのは教育ではなく、安心して生活できる環境です。「投資の仕方を教える」のではなく、「投資しなくても安心できる社会」を作ることが先決です。
田中議員が述べたように、20代は自分への投資や様々な活動をする大事な時期です。その貴重な時間を、将来不安のために犠牲にさせてはいけません。政府は若者の現状に向き合い、抜本的な対策を取るべきです。