2026-03-10 コメント投稿する ▼
片山さつき財務相、NISA貧乏にショック、金融教育強化へ
片山さつき財務大臣は2026年3月10日の衆議院財務金融委員会で、若い世代の間で広がる「NISA貧乏」という言葉について「ショックを受けた」と述べ、積み立て自体の目的化は全く意図していないとして、広範な金融経済教育の必要性を強調しました。国民民主党の田中健議員の質問に答えたものです。
NISA貧乏という流行語
田中議員は「若い世代の間で流行語になりかけている言葉がある」として、「NISA貧乏という言葉、お聞きになったことはありますでしょうか」と片山大臣に見解を求めました。
田中議員によると、20代は投資額を大きく増やしているものの消費は伸び悩んでいます。20代・30代以下の75パーセントが「公的年金には期待していない」と答えており、漠然とした将来不安を抱えて「とりあえずNISA」「とりあえずインデックスだ」という行動が増えているといいます。
老後資金として以前は1000万円必要と言われていましたが、今は2000万円、3000万円とも言われるようになり、将来のライフデザインを描く前に不安に駆られて積み立て自体が目的になってしまっているとの指摘です。田中議員は「20代は投資も必要ですが、自分への投資、また様々な活動、いろいろなことをする大事な時期です」として、片山大臣の認識を求めました。
片山大臣がショックを受けた理由
片山大臣は「委員のご質問を受けまして、記事を見まして、これはちょっとショックを受けたところです」と率直に述べました。
その上で「まさにこういったこともあるので、ライフプランニングをきちっと正しく公平な目で見て、客観的に『いいな』というものを受けていただくことが非常に重要です。そして、分散投資で投資を始めるということは、とにかく仕事を始めた時から非常に有用ではないか」と答弁しました。
「NISA貧乏って言葉、初めて聞いた」
「若い世代が将来不安で投資に走るのは分かるけど」
「自分の生活を犠牲にしてまで積み立てるのは本末転倒」
「金融教育をちゃんとやらないとダメだよね」
「老後2000万円問題が若者を追い詰めてる」
積み立て自体の目的化は意図せず
片山大臣は「我々は過去にもお叱りをいただいたことがありますので、『その時点でいくらいるか』を一切確定的に申し上げたことはありません」と強調しました。これは2019年に金融庁の報告書が「老後資金2000万円必要」と試算して批判を浴びたことを踏まえたものです。
問題は最適な資産運用だけではなく、最適な自分の毎年毎月のインカムの使い方も金融教育の中には当然入ってくる部分でなくてはいけないと片山大臣は指摘しました。「委員ご指摘のように、この金融教育の中には当然入ってくる部分でなくてはいけないとより強く認識しなければいけないと思っております」と述べました。
片山大臣は「積み立て自体の目的化は全く意図しておりません。もっと中庸で、かつ広範でかつ客観的な金融経済教育を全員にくまなく広めなくてはいけないと拝見して思いました」と続けました。
バランスの取れた金融教育が必要
田中議員は「20代からNISAで貯めれば、将来かなり安定した収入に得られると思いますので、大切なことだと思います。けれども、やはり自分の生活を脇に置いてまでそれに没頭してしまうというか、それが将来不安でありますから、将来不安を取り除くのが私たち政治の役目ではありますけれども、そのバランスをしっかりと金融教育、またリテラシーを高めていく必要があると思っています」と述べました。
新NISA制度は2024年1月に開始され、2025年6月末時点で口座数は約2700万口座にまで増加しました。しかし政府の目標である3400万口座を達成するためには、口座開設率の低い若年層や高齢者層への普及がカギとなっています。
金融広報中央委員会の調査によると、18歳から29歳の若年層は周囲の多くの人が取っている行動に追従しやすい「横並び行動バイアス」が他の世代と比較して高いことが分かっています。つまり投資の目的や商品性すら理解せずに、周囲やインターネットの情報に影響され、「みんなが買うから、とりあえず自分も買う」といった行動をとりやすいのです。
片山大臣の「ショックを受けた」という発言は、NISA制度が若者を将来不安に追い込み、本来楽しむべき20代の時間を犠牲にさせているという皮肉な現実を政府が認識したことを示しています。金融経済教育を全員にくまなく広めることが急務です。