2026-03-05 コメント投稿する ▼
片山さつき財務大臣、NISAの海外投資問題で国内枠設定に慎重姿勢、企業価値向上が先決と答弁
片山さつき財務大臣は2026年3月5日の衆議院本会議で、国民民主党の田中健議員から投げかけられたNISAの海外投資問題について、国内投資枠の設定には慎重な姿勢を示しました。 田中議員は、オルカンやS&P500といった海外株式型の投資信託にNISA資金が流出している現状を問題視し、国内成長のための投資枠強化を提案しました。
新NISAは2024年1月の開始以来、個人投資家の間で爆発的な人気を集めています。中でもオルカンの愛称で知られる全世界株式投資信託とS&P500は圧倒的な支持を得ており、両ファンドとも純資産総額が5兆円を超える規模に成長しました。
「国内企業に投資したいけど、やっぱり世界全体に分散したほうが安心だよね」
「オルカン一択でしょ、手数料も安いし」
「日本株だけだとリスク高くない?海外分散は当然だと思う」
田中議員の質問は、こうした投資家心理が日本経済の成長につながっていないのではないかという懸念から発せられました。田中議員は「NISAの資金の相当部分が海外株式型の投資信託に流れています」と指摘し、国内投資を促す制度設計の検討を求めました。
片山大臣の答弁は慎重姿勢
片山さつき財務大臣は、まず国内株式の買付実績について説明しました。大臣は「2024年の抜本的拡充以降の2年間において、大手証券会社10社を通じたNISAにおける国内株式の買付額を日本証券業協会の調査をもとに機械的に計算すると、約10兆円となります」と具体的な数字を示しました。
さらに国内企業等を投資対象に含む投資信託の買付を通じても国内への投資が行われていると説明し、一定の国内投資は実現していると強調しました。
「10兆円って聞くとすごいけど、海外に流れてる額はもっと多いんでしょ?」
「国内投資枠があってもいいと思うけどなあ」
分散投資の重要性を強調
田中議員が提案した国内投資枠の設定については、片山大臣は明確に慎重な姿勢を示しました。大臣は「家計の安定的な資産形成の観点からは、国や地域も含む投資対象の分散が有効であることを踏まえる必要がある」と述べ、リスク分散の重要性を強調しました。
その上で「むしろ国内投資を活性させるためには、コーポレートガバナンス改革等の中長期的な企業価値の向上を後押しする取り組みを通じ、日本企業自身の魅力を高めていくことも重要かと考えております」と答弁しました。この発言は、制度で投資先を誘導するのではなく、企業価値向上によって投資家を惹きつけるべきだという考え方を示したものです。
海外投資の実態
実際にNISAを通じた海外投資は急拡大しています。2024年の対外証券投資は前年比約2.5倍の11兆5066億円に達し、データが遡れる2005年以降で最大規模となりました。オルカンは組入銘柄の約65パーセントが米国株で構成されており、S&P500は100パーセント米国株です。こうした海外比重の高さが、家計マネーの海外流出を加速させているとの指摘があります。
フランスのPEAやイタリアのPIRなど、欧州諸国では自国企業への投資を優遇する制度が存在します。しかし片山大臣の答弁からは、日本政府がこうした方向性を直ちに採用する考えはないことが読み取れます。
政府は2027年末までにNISA口座数を3400万口座、買付額を56兆円とする目標を掲げています。現在NISA口座数は約2700万口座に達しており、18歳以上の国民の4人に1人が口座を保有する状況です。今後も制度の充実を図る方針ですが、国内投資枠の導入については引き続き慎重に検討していくものと見られます。