2025-12-02 コメント: 1件 ▼
「参院はぶっ潰せばいい」百田尚樹氏が衆院の2軍と痛烈批判、自身も衆院落選組と自嘲
日本保守党の百田尚樹代表が2025年12月2日の記者会見で「衆院の2軍だ」として参院不要論を展開し、大きな波紋を呼んでいます。 百田氏自身が参院議員でありながら参院の存在価値を疑問視する発言は、与野党を問わず論議を呼んでいます。 百田氏は2日の記者会見で、自民党と日本維新の会が衆院定数削減で大筋合意したことに関連して参院の役割について言及しました。
百田氏が参院の存在価値を疑問視
百田氏は2日の記者会見で、自民党と日本維新の会が衆院定数削減で大筋合意したことに関連して参院の役割について言及しました。島田洋一衆院議員が衆院定数削減を「党利党略のパフォーマンスだ」と批判したことを受け、百田氏は参院に話題を移しました。
「参院はいらない。私は前から思っているが、実際に参院議員になり、改めて参院の存在価値が全く分からなくなってきている」と率直に述べました。その理由として「衆院が決めたことを参院も議論して、ほとんどが『それでいい』『チャンチャン』となる」と指摘し、「野球で言ったら、2軍みたいなものだ」と表現しました。
さらに踏み込んで「2軍なら2軍でいいが、それなら給料を半分にしておけよ」との持論を展開しました。
任期6年間も「長すぎる」と批判
参院議員の6年間の任期についても「長すぎる」と断じました。百田氏は「いまはもう『三年一昔』だ。時代は変わり、科学技術もどんどん変化する」として、現代社会の変化スピードと参院の任期の長さのギャップを指摘しました。
「そんな状況の中で、選挙も経ずに議員になったら6年間も安泰というのはのんびりしている」と述べ、「衆院は任期4年だが、解散があるので、平均したら2年ぐらいで改選だ」と衆参の実質的な任期の差を強調しました。
「参院はぶっ潰せばいい」発言の真意
その上で「参院はぶっ潰せばいい」と過激な表現を使いましたが、「さすがに、いきなり潰さないが、給料も任期も半分でいい」と現実的な改革案も示しました。
また「衆院落ちたから参院で復帰、というような、どうしようもないのがたくさんいる」と述べた後、「私もそうか」と自嘲気味に付け加えました。百田氏自身、2024年の衆院選では比例代表近畿ブロックで落選し、その後2025年7月の参院選比例代表で初当選した経歴があります。
ネット上でも賛否両論の声が上がっています。
「百田さんの言う通り、参院なんて税金の無駄遣いだ」
「自分が参院議員なのに参院批判とか、何がしたいのかよくわからない」
「衆院で落ちて参院で当選したのに、よくこんなこと言えるな」
「二院制の意味を理解していない発言としか思えない」
「給料半分案は面白いが、憲法改正が必要で現実的ではない」
二院制をめぐる根深い議論
参院不要論は百田氏だけでなく、以前から政界で根強く存在する議論です。日本でも二院制批判、参議院不要論は根強く、世界の民主主義国家の中で、二院制を採る国はむしろ少数派でもあります。
衆参両院の権限がほぼ対等であることが、他国との比較の上での一つの特徴である日本の二院制について、「ねじれ国会」になると「強すぎる参議院」批判が高まることも事実です。
一方で、二院制の長所として審議を慎重に行うことができる点があり、両院で話し合いをすることで国民の様々な意見を反映しながら、慎重に物事を決定することができるとの意見もあります。
現在、自民党と維新の会は衆院議員定数の1割削減を目指し、420人を超えない範囲で現行定数465人から45人以上の削減を検討しています。百田氏の参院不要論は、こうした議員定数削減議論の延長線上にある発言とも受け取れます。