2025-11-20 コメント投稿する ▼
百田尚樹議員が赤沢大臣に「ディープテック・スタートアップって何?」初質問で日本語表現を問題視
極めつきは「ディープテック・スタートアップ」という用語だった。 現在、政府は「スタートアップ育成5か年計画」を推進しており、ディープテック・スタートアップの支援を重要政策として位置づけている。
小説家からの鋭い指摘
百田尚樹議員が初質問で赤沢大臣の"わかりにくい日本語"を問題視「ディープテック・スタートアップって何?」
日本保守党の百田尚樹代表(69歳)が2025年11月20日、参議院経済産業委員会で初質問に立ち、赤沢亮正経済産業大臣の所信表明演説に対して文章表現の改善を求めた。『永遠の0』や『海賊と呼ばれた男』などのベストセラー作家として知られる百田氏は、わかりやすい文章表現の重要性について持論を展開した。
百田氏は冒頭、赤沢大臣の所信表明にある「所信的挨拶」という表現について「こんな日本語あるんかなとちょっと思いました。なんか中国語みたいでしたね」と率直に指摘した。小説家としての経験を踏まえ、「私は文章を書くときに、とにかく読者に分かりやすく、いかに文章が理解されやすいかということを非常に注意して書いている」と述べ、政治家にも同様の配慮を求めた。
カタカナ語連発に疑問符
百田氏が特に問題視したのは、所信表明に頻出するカタカナ語や専門用語だった。「DXあるいはGX、あるいはフュージョン・エネルギー、これはほとんどの国民分かりますかね」と疑問を投げかけ、フュージョン・エネルギーについては「たぶん核融合のことだと思うが、それならなぜ核融合と書かないのか」と具体的な改善案を提示した。
極めつきは「ディープテック・スタートアップ」という用語だった。百田氏は「これはおそらくほとんどの国民が意味分からないんじゃないでしょうか。近くにあった国語辞典見ても載っていなかった」と述べ、その意味の説明を求めた。
現在、政府は「スタートアップ育成5か年計画」を推進しており、ディープテック・スタートアップの支援を重要政策として位置づけている。NEDOが運営する「ディープテック・スタートアップ支援基金」では、AI、バイオテクノロジー、量子コンピューティングなどの先端技術を活用した革新的な企業への支援を実施している。しかし、こうした政策用語が一般国民にどこまで浸透しているかは疑問視されている。
大臣の苦笑いを誘った応酬
赤沢大臣は百田氏の指摘に対し、まず小説家としての才能を称賛した。「私は、百田先生の小説はほぼ全部読んでいる。特に至高だと思ったのは『プリズム』。あれは読んでて、『こんなことを書ける人がいるのだ。もう天才だな』と思って震えた」と率直な感想を述べた。
国民の関心は政治家の言葉遣いに向けられている。SNS上では様々な声が上がっている。
「政治家の言葉が難しすぎて何をやっているのかわからない」
「百田さんの指摘は的確。国民目線で分かりやすく話してほしい」
「カタカナ語ばかりで本当に理解している人はどれくらいいるの」
「専門用語を使うなら必ず説明を入れてもらいたい」
「大臣も小説家も人柄が出ていて良い質疑だった」
「ディープテック・スタートアップ」について赤沢大臣は、「テクノロジーの中で、非常にゲームチェンジャーになるような、大変大きなインパクトがありそうな技術についてのスタートアップ」と説明したが、その説明の中にも「ゲームチェンジャー」「GAFAM的な企業」といったカタカナ語が含まれていた。百田氏は「説明の中にまたわけのわからん外来語がよくあったが、それは置いときます」と苦笑いを誘うコメントで締めくくった。
政治における言葉の重要性
百田氏の指摘は、政治における言葉の重要性を改めて浮き彫りにした。69歳の百田氏は「平均的な国民のレベルだと思っている」として、一般国民の視点から政府の説明責任を求めた形だ。
赤沢大臣も「字数に制限がある中で、書きすぎると『長い』と怒られる。そんな中で伝えたいこと、政策の意図を正確に伝えるという観点から、あれより分かりやすく書くことができなかった」と制約を説明しつつ、「国民に分かりやすい言葉で伝えることは非常に重要だと思う。今後とも分かりやすい表現になるよう努めていきたい」と改善への意欲を示した。
政府が推進するDXやGXといった政策は、確かに日本経済の将来を左右する重要な取り組みだ。しかし、その重要性を国民に理解してもらうためには、専門用語に頼らないわかりやすい説明が不可欠といえる。百田氏の指摘は、政治家に対する国民の率直な疑問を代弁したものといえるだろう。