2025-07-21 コメント投稿する ▼
小池都知事、参院選の自公敗北に「安定が日本の売りだった」 政局不安定化に懸念 訪米先で発言
小池都知事「安定が日本の売りだった」 参院選で与党敗北に懸念 米国で論戦不足にも言及
訪米中の小池百合子東京都知事は21日、参院選で自民・公明両党が大敗し、与党が衆参両院で過半数割れに陥った結果について「安定が日本の売りだった。不安定化につながることを懸念している」と述べ、政権運営への不安をにじませた。
米ワシントンで記者団の取材に応じた小池氏は、「日本政治の安定は、国内だけでなく、国際的にも評価されてきた重要な要素だった」と指摘。その上で「不透明な政治状況は、外交にも経済にも影響する」と述べ、政局の混迷が国益を損なうとの危機感を示した。
骨太な議論がなかったと不満も
小池氏は同日、保守系シンクタンク「ハドソン研究所」のイベントに出席し講演。参院選について問われると、「残念ながら、国家安全保障のような長期的な課題に対する骨太の議論がなされなかった」と論戦のあり方にも疑問を呈した。
特に安全保障政策に関して、「中国や北朝鮮を取り巻く状況の中で、日本の防衛・安全保障の方向性を国会で丁寧に議論するべきだった」と述べ、争点が物価高など短期的な課題に集中したことへの物足りなさを語った。
また、「今回の参院選は、6月の都議選と非常に似通っていた」とも指摘。都議選では物価高や生活支援策が中心的争点となっていたが、「任期6年の参議院議員を選ぶ選挙は、より幅広く、国際的で未来志向の論戦があるべきだ」と述べ、政党や候補者の姿勢に苦言を呈した。
都政から国政へ?「日本の立ち位置を再定義する時」
小池氏のこうした発言は、政治的影響力を都政の枠にとどめず、国政全体にも及ぼそうとする意図があるとの見方も出ている。
ある都政関係者は、「小池知事は国際舞台でも発信力があり、自民党政権が揺らぐなかで存在感を高めたい思惑があるのでは」と分析する。
小池氏は講演の中でも、「世界が大きな変動期にある中、日本の立ち位置と戦略を再定義する必要がある」と語り、外交や安全保障を中心とした国政課題への関心をにじませた。
ニューヨーク訪問や国連会合にも出席
小池知事は20日から27日の日程で米国を訪問しており、ワシントン滞在後はニューヨークに移動し、国連本部で開かれる会合にも出席予定。都政の立場から環境・都市政策に関する取り組みを紹介するほか、国際都市・東京の存在感をアピールする狙いがある。
政権中枢が参院選の敗北で混乱する中、都知事としての国際的な発言力を高め、東京と日本の安定性を印象づけようとする小池氏の姿勢が鮮明になった形だ。