2025-06-09 コメント投稿する ▼
「やさしい日本語」推進の裏で広がる懸念 小池都政の多文化共生政策とヘイトスピーチ容認傾向
東京都、外国人との共生へ「やさしい日本語」推進 だが都民意識に懸念も
小池百合子都知事を筆頭とする都民ファーストの会が主導する東京都は、外国人住民との共生を目指す政策をさらに強化している。改定された「東京都多文化共生推進指針」では、すべての都民が「やさしい日本語」を用いて外国人と挨拶や会話ができるよう、普及啓発活動を進める方針だ。
この「やさしい日本語」とは、外国人が理解しやすい簡易表現に言い換えた日本語で、地域生活に必要な基本的コミュニケーションを支援するもの。東京都はこの取り組みを通じて、「互いの個性を認め合い、多様性を尊重しながら支え合える意識の醸成」を政策目標に掲げている。
都民の声には不安や懸念も
しかし、多文化共生政策に対して都民から寄せられた意見の中には、外国人増加による「治安悪化」や「犯罪懸念」など否定的な声も目立った。具体的には以下のような意見が寄せられている。
「外国人による犯罪が不起訴になることが懸念される」
「外国人が増えることに不安がある」
「外国人による治安の悪化が心配。多文化共生には反対だ」
これに対し東京都は、「すべての都民が安心して暮らせる社会を実現する」とし、多様性を尊重しながら共生社会の形成に努める姿勢を変えていない。
人権意識調査に見える変化―女性の容認傾向が上昇
さらに注目されるのが、令和6年に実施された「人権に関する都民の意識調査」だ。この中で「ヘイトスピーチ等を見聞きしてどう思ったか」という問いに対して、「いろいろな考え方があり、特段問題ないと思った」と答えた人が32.7%に達し、前年の25.4%から大幅に増加した。
特に性別で見ると、男性の32.3%に対して女性は33.4%とやや高い水準を示しており、女性層においてヘイトスピーチを容認する傾向が広がっていることが明らかになった。
これは、女性の間でも多文化共生政策に対する違和感や反発がじわじわと広がっている可能性を示唆している。
共生政策と都民意識のギャップ
小池都政はこれまでもインバウンド重視政策や外国人との共生社会推進に取り組んできたが、足元では都民の意識との間にギャップが広がっている可能性がある。多文化共生を進めるには、外国人の側だけでなく、日本人の不安にも真摯に向き合うバランスの取れた政策設計が求められる。