2025-04-04 コメント投稿する ▼
外国人定着に最大50万円助成 東京都、中小企業の語学研修など支援強化
制度の狙いは、企業にとって貴重な戦力となる外国人労働者が安心して働き続けられる環境を整えることにある。
対象は日本語能力試験N2以下の従業員
助成の対象となるのは、日本語能力試験(JLPT)でN2レベル以下の外国人従業員に対する日本語教育や、職場での適応を支える各種研修だ。
たとえば、「日本語教員による語学レッスン」や「日本語教材の作成」「ビジネスマナー研修」「異文化理解講座」などが対象となっており、社内での研修はもちろん、日本語学校への通学にも活用できる。
ただし、ビジネスマナーや異文化理解の講座だけを単独で実施することはできず、日本語教育などと組み合わせて行うことが条件となっている。
一般企業とウクライナ避難民の雇用企業に分けて支援
助成金には2つのコースが用意されている。
■一般コース
- 対象:在留資格を持つ外国人従業員を雇用している都内の中小企業
- 助成額:研修等にかかった費用の2分の1を補助。上限は標準プランで25万円、短時間プランで15万円
■ウクライナ避難民採用企業コース
- 対象:ウクライナ避難民を雇用している都内の中堅・中小企業
- 助成額:かかった費用の全額(10分の10)を補助。上限は標準プランで50万円、短時間プランで30万円
都はロシアによる侵攻で避難を余儀なくされたウクライナ人への支援にも力を入れており、この制度はその一環でもある。
申請受付は令和8年1月まで
申請の受付期間は、令和7年4月3日から令和8年1月15日まで。助成の対象となる期間は、交付決定日から令和8年3月末までとなっている。
対象経費として認められるのは、報酬費、消耗品費、教材費、旅費、委託料、印刷費、会場費など。比較的柔軟に経費が使えることもあり、すでに制度の活用を検討している企業もあるという。
人材不足の中小企業にとって追い風に
背景には、都内の中小企業を中心とした慢性的な人手不足がある。とりわけ若年層の労働人口が減少する中、外国人材の受け入れと定着は、今や企業にとって重要な経営課題だ。
東京都産業労働局の公式サイト「TOKYOはたらくネット」では、申請方法やQ&Aが詳しく紹介されている。都は制度の周知を進めるとともに、企業側の積極的な活用を呼びかけている。