2025-04-02 コメント投稿する ▼
東京都、若年女性支援事業を継続 Colabo問題後も再委託と団体存続費を公費負担
<事業の概要と補助内容>
■対象事業者
社会福祉法人や特定非営利活動法人(NPO法人)など、年間を通じて若年女性の支援を行う団体が対象。
■補助金額
- アウトリーチ支援・相談支援・自立支援(必須事業):約2,440万円
- 居場所の提供(任意事業):約2,062万円
これらの事業の経費のうち、2分の1は国の補助金を活用することを前提としている。
<経費の内訳と問題点>
支援のための経費には、具体的な上限が設定されている。例えば、宿泊費は1人あたり上限19,000円/日、食費は1食あたり1,100円、消耗品や修繕費は1個当たり10万円未満とされている。
一方で、今回の事業では再委託が可能となっており、受託団体が他の団体に業務を丸投げすることもできる仕組みだ。これは過去に不正の温床となってきた「再委託問題」が引き続き懸念される要素のひとつだ。
さらに、「団体が存続していくうえで必要な経常的経費」も補助対象とされており、事業の直接的な支援とは関係のない運営費にも公金が充てられる形となる。
<過去の不正問題と東京都の対応>
東京都のこの事業は、過去に会計の不適切な処理が問題となった経緯がある。特に、一般社団法人「Colabo」が受託していた際の会計処理について、2023年に東京都監査委員が不適切な経費計上を指摘し、都に対し再調査を勧告した。
調査の結果、税理士への報酬の全額計上が「適切でない」とされ、領収書の不備や高額な宿泊費・食事代の問題が浮上。東京都は最終的に約192万円の経費を不適切と判断したものの、委託料の範囲内だったため返還請求は行われなかった。
こうした問題を受け、東京都は令和5年度から委託事業ではなく補助事業に移行。経費の透明性を高めるため、税理士による確認を義務付けるなど管理体制を強化している。しかし、再委託の許可や団体の存続経費の補助が続く限り、今後も同様の問題が起こる可能性は否定できない。
■ 予算は大幅増額、監視の目が必要
この事業に関する東京都の予算は、令和6年度の1.83億円から、令和7年度は2.28億円へと約4500万円の増額となる。支援の必要性が高まる一方で、公金の使われ方については引き続き厳しいチェックが求められる。
東京都は「困難を抱える若年女性を支援するための事業」と説明しているが、過去の不正問題を考えると、透明性の確保が不可欠だ。都民の税金が適切に使われているのか、今後も監視の目が必要となるだろう。