東京都民営火葬場の料金高騰、8万円超が7割 都が初の実態調査公表

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東京都民営火葬場の料金高騰、8万円超が7割 都が初の実態調査公表

東京都は2026年3月31日、都内外の火葬場や関係自治体を対象に実施した「火葬場の運営等に係る実態調査」の結果を公表しました。都内の民営火葬場の料金が8万円以上のところが約7割を占め、都外や都内多摩地域の公営火葬場と比べ大きな格差があることが改めて浮き彫りになりました。

今回の調査は2025年12月から始まり、都内外の44か所の火葬場、都内62市町村、都外13市の計119か所を対象に実施されました。調査手法はアンケートに加え、個別ヒアリングも組み合わせた詳細なものです。

東京の民営火葬場、8万円超えが7割の衝撃


調査結果では、公営火葬場の住民向け料金が無料または2万円未満が約9割を占めたのとは対照的に、民営火葬場では8万円以上が約7割を占めることが明らかになりました。

都内の公営火葬場の住民料金は、東京都が運営する瑞江葬儀所(江戸川区)で5万9600円、港区など5区の広域組合が運営する臨海斎場(大田区)で4万4000円となっています。一方、多摩地域の公営火葬場は、ひので斎場(日の出町)が1万円であるほかは7か所が無料です。

都内の民営火葬場については、町屋(荒川区)、落合(新宿区)、代々幡(渋谷区)、四ツ木(葛飾区)、桐ケ谷(品川区)、堀ノ内(杉並区)の各斎場が9万円から、戸田葬祭場(板橋区)が8万円から、府中市の多磨葬祭場も9万円からとなっています。

都外の民営火葬場と比べると格差は一目瞭然です。横浜市の西寺尾火葬場は5万6000円から、埼玉県草加市の谷塚斎場は7万4000円から、松山市の寺田斎場は3万9000円からとなっており、都内民営と都外民営の間にも数万円単位の差が生じています。

「父が亡くなって火葬の手続きをしたら、10万円近くかかると言われて本当に驚きました。選択肢がないのが一番つらい」
「全国平均が1万円台という話を聞いて、東京の火葬料金がいかに異常かわかりました」
「多摩地域は無料のところもあるのに、23区の民間だと9万円って、同じ東京都民なのに不公平すぎる」

民営が支配する23区、収支開示にも難色


東京23区内には9か所の火葬場がありますが、このうち公営は都営の瑞江葬儀所と5区の広域組合が運営する臨海斎場の2か所のみです。残る7か所が民営で、うち6か所を東京博善株式会社(親会社:広済堂ホールディングス)が運営し、23区内の火葬のおよそ7割を担っています。

このような民間1社による事実上の寡占状態が、料金高騰の背景にあることは以前から指摘されていました。東京23区の民間火葬場で料金値上げが相次いできた歴史を振り返ると、2021年に約1万6000円の値上げがあり、2024年6月にもさらに値上げが実施されました。さらに2026年4月1日からは、東京博善が運営する6か所の料金が8万7000円に統一されることになっています。

東京博善はこれと同時に、長年にわたり低所得者を含む区民が割安で利用できた「特別区区民葬儀」制度からの脱退も表明しました。この制度を利用することで、区民は通常より約3万円安い5万9600円で火葬を利用することができていました。

今回の都の調査では、経営管理状況を把握するため各火葬場に収支資料の提出を求めましたが、民営火葬場は「総じて難色を示した」(都の担当者)とされています。公共性の極めて高い施設でありながら、財務情報の透明性が担保されていない現状は、深刻な問題点として浮かび上がりました。

「亡くなるたびに値上がりを繰り返す。火葬は断れないサービスなのだから、もっと公的なルールが必要なはずだ」

区民葬廃止と助成金制度、課題山積の対応策


こうした状況を受け、東京23区の行政を束ねる特別区長会は2026年度から新たな助成制度の創設を進めています。大人1人あたり約2万7000円、子どもは約1万5000円を補助する方向で最終調整が進められており、民営火葬場の8万7000円から補助を差し引いた実質負担をおよそ6万円程度に抑える狙いがあります。

ただし、この助成制度は税金を投入して民間の高い料金との差額を埋める構造になっており、問題の根本解決にはならないという指摘もあります。公共性の高い施設の料金を規制・監督する法的な枠組みがなく、自治体が後追いで対応を迫られている構図です。現行の「墓地、埋葬等に関する法律」には、火葬料金を直接規制する仕組みが存在しておらず、法整備の遅れが事態を深刻化させてきました。

東京都は2025年9月の都議会第3回定例会で、小池百合子都知事が経営管理への指導強化や火葬能力の拡充、国への法制度見直しの要望を打ち出しました。今回の調査はこうした流れを受けた取り組みの一環です。

「区民葬が使えなくなって、税金で補助するというのも結局わたしたちの負担。なぜ根本の料金を下げられないのか」

都は2026年4月以降、火葬場の運営や火葬能力をテーマとした有識者らによる検討会を設置し、今回の調査結果を基礎資料として活用していく方針です。多死社会の到来で今後さらに増加が見込まれる火葬需要への対応も含め、公共性の観点から火葬場の適切な経営管理のあり方を改めて議論する必要に迫られています。

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まとめ
  • 東京都が2026年3月31日、都内外44か所の火葬場を対象にした実態調査の結果を公表
  • 都内民営火葬場は8万円以上が約7割。都外民営や多摩地域の公営に比べ著しく高額
  • 東京23区内の火葬場9か所のうち7か所が民営で、うち6か所を東京博善1社が運営(シェア約7割)
  • 東京博善は2026年4月から料金を8万7000円に統一、区民葬制度からも脱退
  • 特別区長会は大人2万7000円の補助制度を創設予定だが、税金投入による根本解決には疑問の声
  • 民営火葬場は収支資料の提出に難色を示しており、経営の透明性確保が課題
  • 都は2026年度から有識者検討会を設置し、適切な経営管理のあり方を議論する方針

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2026-04-01 10:11:50(植村)

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