2026-02-03 コメント投稿する ▼
東京圏の転入超過12.3万人で4年ぶり縮小も一極集中続く 2025年人口移動報告
総務省は2026年2月3日、住民基本台帳に基づく2025年の人口移動報告を公表しました。東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県)では、転入者数が転出者数を上回る「転入超過」が12万3534人となりました。前年から1万2309人減り、4年ぶりに縮小したものの、東京一極集中の傾向は続いており、是正策をどう進めるかが今後も課題となります。
三大都市圏の動向
東京圏以外の三大都市圏では、大阪圏(大阪、京都、兵庫、奈良の4府県)が8742人の転入超過で、前年に比べ6063人拡大しました。名古屋圏(愛知、岐阜、三重の3県)は1万2695人の転出超過でしたが、6161人の縮小となりました。
大阪圏は2024年に外国人を含む集計を開始した2014年以降、初めて転出超過から転入超過に転じており、2025年も引き続き転入超過を維持しました。これは関西圏の経済活性化や、東京圏の家賃高騰などを背景に、大阪圏への人口流入が増加していることを示しています。
東京都は4年ぶり減少
都道府県別に見ると、東京都の転入超過が6万5219人で最多となりました。ただ、近隣の埼玉や神奈川で転入超過が拡大する中、前年比1万4066人の減となりました。東京23区の転入超過も1万9607人減の3万9197人でした。
東京都への転入超過が減少するのは、新型コロナウイルス禍だった2021年以来、4年ぶりです。転入が9611人減、転出が4455人増と転入者が減っており、都心部を中心とした家賃の高騰などが影響した可能性があります。
2020年と2021年はコロナ禍で減少しましたが、コロナによる行動制限が緩和された2022年には再び増加していました。今回の減少は、コロナとは異なる要因による可能性が高いと見られています。
転入超過は7都府県のみ
東京以外で転入超過となったのは、埼玉、千葉、神奈川、滋賀、大阪、福岡の6府県で、東京を含めて合計7都府県のみとなりました。転出超過は40道府県で、山梨が転出超過に転じました。
転出超過の40道府県のうち、超過数最多は広島の9921人、次いで福島7197人、静岡6711人でした。地方から都市部への人口流出が依然として続いている実態が浮き彫りになりました。
若年層の流出が顕著
特に問題となっているのは、20歳から24歳の若年層の転出超過です。少子化の状況下においても、この年齢層の地方から東京圏への流出は伸びており、地方の人口減少と高齢化を加速させる要因となっています。
東京圏に転入した若年層への調査では、東京圏に移り住んだ理由として、東京圏へのあこがれや進学先の質・量と並んで、就職先の選択肢の豊富さや、やりがいがある就職先の存在等の職場関係の理由を挙げる者が多くなっています。
家賃高騰が東京離れを促進か
東京圏への転入者数の減速については、都市部における家賃の上昇が一因として考えられます。2024年入り後から東京圏とその他の地域の家賃格差の拡大が目立っており、コロナ禍後のオフィス回帰進展に伴う都心混雑の復活など、いわゆる集積の不経済の強まりが東京圏への転入抑制につながっている可能性があります。
仮にそうであるとすれば、東京圏への人口流出に悩む自治体にとっては、地方の魅力を高める施策を進める好機となる可能性があります。
一極集中是正の課題
東京一極集中の是正は、長年にわたり政府の重要課題とされてきました。地方創生やデジタル田園都市国家構想など、さまざまな施策が打ち出されてきましたが、転入超過が12万人を超える状況は大きく改善されていません。
今後の課題としては、地方における雇用創出、就労環境の改善、居住環境の改善、子育て環境の更なる充実、移住・定住の促進などが挙げられます。特に若者・女性にも選ばれる地方をつくることが重要とされています。
2025年の人口移動報告は、東京一極集中が依然として続く中で、わずかながら是正の兆しも見えるという状況を示しました。この傾向が今後のトレンド的な動きにつながっていくのか、一時的な動きに過ぎないのかは、今後の推移を注視する必要があります。