2025-11-18 コメント投稿する ▼
物価高を理由にした都議報酬満額復帰に都民から批判の声
「我々も物価高で苦しい」と満額支給、全国最高額の103万6千円に。 東京都議会が2017年から続けてきた議員報酬の月額2割削減が、2025年6月の都議選後に正式な議論を経ることなく終了し、満額支給に戻っています。 改革姿勢を示す象徴的な取り組みだったはずが、都議からは「我々も物価高で苦しい」との声が漏れ、削減継続への消極的な姿勢が浮き彫りになっています。
都議報酬2割削減が議論なく終了
「我々も物価高で苦しい」と満額支給、全国最高額の103万6千円に
東京都議会が2017年から続けてきた議員報酬の月額2割削減が、2025年6月の都議選後に正式な議論を経ることなく終了し、満額支給に戻っています。改革姿勢を示す象徴的な取り組みだったはずが、都議からは「我々も物価高で苦しい」との声が漏れ、削減継続への消極的な姿勢が浮き彫りになっています。
年間3億円超の負担増で全国最高額に
改選前の都議の月額報酬は、2割減を反映した82万8800円でした。現在は定額の103万6千円を支給しており、都議会の定数127人分をかけると、単純計算で削減前から全体で年間約3億1600万円増となります。
全国都道府県議会議長会によると、都道府県議の議員報酬(4月時点)で愛知県(約99万9千円)を上回り、全国最高額となりました。これまで愛知県議会が最高額でしたが、東京都が削減措置を終了したことで、全国トップの高額報酬となった形です。
「都議の報酬が103万円って、一般都民の感覚では信じられない金額です」
「物価高で苦しんでいるのは都民も同じなのに、議員だけ満額に戻すのはおかしい」
「議員も大変でしょうが、都民だって生活が厳しいんです」
「改革の姿勢を示すなら、削減を続けるべきでした」
「これじゃあ身を切る改革とは言えませんね」
小池知事の改革を受けて始まった削減措置
報酬削減が始まったのは2017年4月で、前年に就任した小池百合子知事が自身の給与を約1400万円に半減し、期末手当を含む議員の年間所得を下回ったことをきっかけに、公明党や共産党など各会派が減額を訴えました。
1年間に限って報酬を2割削減する条例案を全会派で共同提案して可決すると、翌年以降も毎年更新し、2025年7月の任期終了までの削減が決まっていました。都政改革に向け議員自ら「身を切る改革」を実行するとして注目された取り組みでした。
各会派の思惑と消極的な対応
しかし、6月の都議選後、新たな任期での対応を議論しないまま、報酬削減が終了しました。小池氏が特別顧問を務める第1会派の都民ファーストの会幹部は「もともと新しい任期の議員で考えるべきだとなっており、その議論が始まっていない状況」と説明していますが、都議選から4カ月以上経っても具体的な議論の動きはありません。
この幹部は「(物価高で)経費が上がり、政治活動の質を落とさざるをえない状況は誰にも望まれていない」と削減終了を正当化しています。
共産党のみが削減継続を主張
各会派の対応は大きく分かれています。共産党は「物価高で都民が苦しむなか、自分たちだけ給料を上げるわけにはいかない」と削減継続を訴えていますが、他の主要会派は消極的です。
公明党や自民党の都議は「我々も物価高で苦しく、削減はもう必要ないのでは」「削減が続けば若い人が議員をやってくれなくなる」と主張しています。立憲民主党を中心とする会派の幹部も「もらう分はきちんともらい、その分、きちんと仕事をする」と述べ、満額支給を容認する姿勢を示しています。
都民感情との乖離が浮き彫りに
都議には議員報酬とは別に、人件費や事務所費などに使える政務活動費が月額50万円支給されており、実質的な収入はさらに高額になります。期末手当を含めると年収は1400万円を超える計算です。
現在の物価高騰で多くの都民が家計に苦しむ中、議員だけが物価高を理由に満額復帰を正当化する論理に対しては、都民感情との大きな乖離があると言わざるを得ません。
改革の象徴として始まった2割削減が、議論すらされることなく自然消滅した形となり、都議会の改革姿勢への疑問符が投げかけられています。都民の信頼回復に向けた真摯な議論が求められている状況です。