2025-09-01 コメント投稿する ▼
東京23区で火葬料金高騰と独占問題 公営火葬場増設の必要性が浮上
東京23区の火葬場不足と料金高騰の現実
東京都議会会派「立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会」は1日、「火葬料金引き下げプロジェクトチーム(PT)」の初会合を開き、都葬祭業協同組合の鳥居充理事長から現状の課題を聞き取った。23区内には9カ所の火葬場があるが、公営は2カ所のみで、残りの7カ所は民間運営。そのうち6カ所を東京博善が運営しており、近年相次ぐ火葬料金の値上げが問題視されている。
鳥居氏は「公営火葬場は数が少なく、時間的制約で実質的に利用できないケースが多い。都民は民営火葬場を利用せざるを得ず、高額な料金を受け入れている」と訴え、公営火葬場の増設を強く要望した。
民間依存による構造的リスク
鳥居氏はさらに、仮に民間火葬場が問題のある運営を行っても「許可を取り消されれば困るのは他に選択肢のない都民だ」と指摘。民間事業者が「事実上、許可を取り消されない」という立場を背景に、利用者に対して強気の対応が可能になる危険性を訴えた。これは独占に近い構造がもたらすリスクであり、公共性の高い火葬という事業の性格を考えると深刻な課題だ。
「身内を亡くした遺族に過大な負担を課すのは酷だ」
「火葬場はインフラと同じで公的責任があるはず」
「料金が不透明で、値上げの根拠が分からない」
「東京博善の独占状態はおかしい」
「死後の尊厳を金額で左右されるのは納得できない」
公営火葬場の増設を求める声
東京都23区は人口密度が高く、年間の死亡者数も増加傾向にある。高齢化が進む中、火葬場不足は今後さらに深刻化することが予想される。現在のように民間依存の体制が続けば、料金高騰や予約の逼迫が常態化する恐れがある。
公営火葬場の増設は、利用者の選択肢を広げ、価格の抑制効果をもたらす可能性がある。加えて、災害時やパンデミックなど緊急時の対応力を高める意味でも、公営施設の役割は大きい。
死後の尊厳と公共サービスの在り方
火葬は全ての人に関わる公共性の高い事業である。にもかかわらず、現在の23区では特定企業への依存が強まり、利用者が不利益を被る状況が生まれている。料金の透明性や運営体制のチェック、そして何よりも公営火葬場の増設を通じた健全な競争環境の確立が必要だ。
都民にとって「最後の公共サービス」である火葬を、安心して利用できる仕組みに整備することは喫緊の課題である。立憲民主党をはじめとする議会会派の取り組みがどこまで実効性を伴うのか、今後の議論が注目される。